天使間アルマゲドン No.3

全能の主、独り子にルシファーの反乱を告げる。

ルシファーの反乱に気づいた全能の主は、独り子に言われた。
「わが子よ、わたしの栄光にきらめき輝く者よ、わたしのすべての大権をつぐ者よ、われらの持っている全能の力を証明する時が来た。自らの神性について、主権について、古くから主張してきたことを、証明する時が今こそやってきたと言わなければならない。
我らの王座に対抗する王座をあの広大な北国において確立しようと、我らの敵ルシファーたちが、今蜂起しかけている。しかも、彼はそれだけでは満足せず、戦いを挑んで我らの力や権利がいかなるものであるか、試そうと企んでいる。
したがって、我らとしてはこの際よく熟考し、残っている軍勢を集めて、この危難に大急ぎで当たり、防衛のためにその全軍を投入したい。虚をつかれて、我らのこの高い場所を、この聖域を、この聖なる山を、失うようなことがあってはならぬからだ」

独り子、全能の主に決意を表明

独り子は、全能の主に答えます。静かな曇りのない面持ちをした独り子からは、聖らかで名状し難い光が発していました。
「力強き父よ、あなたが敵をあざけり、その空しい陰謀と空しい騒乱を平然と笑い給うのは当然なことと思います。これこそ、わたしには栄光を輝かす良い機会となりましょう。
わたしに彼らの倣慢を打ち砕く王としての権限があることを、はたしてわたしがおよそ神に対する叛逆者を鎮圧する力を持っているのか、それとも天国中で最低の存在であるのか、そのことを彼らが身をもって知った時、彼らの反乱こそが、むしろ、わたしの栄光を輝かすものとなりましよう」

ルシファー、北の宮殿に帰る。

独り子がそう語られていた頃、ルシファーは軍勢を率い、慌しく北の国に帰っていきます。実におびただしい大軍です。夜空をいろどる星屑のごとくというか、朝の空にかかる星の群れのごとくというか、それとも、あらゆる葉とあらゆる花に朝日が宿らせるあの真珠のような朝つゆのごとくというか、とにかく無数の大軍です。
彼らは多くの領域を、三階級三階層に分かれた天使の治めている強大な領土を、通過して帰っていったのです。
やがて、彼らは北方の辺境に達し、ルシファーは、ある丘の上に高くそびえる自分の宮殿に入りました。そこは、いわば、山が山の上に重なり、そそりたつように、ダイヤモンドの鉱山から切り出した石材や黄金の岩で作られた尖塔や高塔を数多く配した、燦然と四方に輝きわたる巨大な建物。これこそが、大ルシファーの宮殿です。

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