ルシファーは腹心の部下に新しい律法について告げ、北の領地への行進を指示しました。彼は軍団の指導者たちを召集し、メシアの迎えと新しい律法の伝達に備えるように促しました。ルシファーは欺瞞的な言葉で仲間を惑わせ、多くの天使が彼に従いました。
ルシファーの密命、軍団の中に
ルシファーは、寝ている腹心の部下を起こしました。
「愛する友よ、眠っているのか? かつて、私が自分の心をお前に打ち明けたように、お前もお前の心を私に打ち明けた。だから、こうして話すのだ。
全能の主から出た、あの昨日の命令がどのようなものであったか、お前は覚えているはずだ。
新しい律法が課せられたのだ。新しい律法が出された以上、仕える我々にも、また新しい心が生ずるのは当然だと言えよう。協議の場を設けて、今後どのような不測の事態が生じるか話し合う必要がある。
これ以上のことを、ここで口にするのは危険だ。
だから、我々が指揮している隊長たち全員を召集してもらいたい。そして、薄暗い夜が明ける前に、全能の主の命に従って、私も全軍も、急ぎ北の領地へ行進を開始する、と。
そして、すべての階層の天使の間に新しい律法を伝えようとしている、我々の王にして偉大なメシアをいかに迎えるか、それにふさわしい饗応の準備をしたい、とも言ってもらいたい」
ルシファーの軍団は、全天使の3分の1でした
ルシファーは意味ありげなことを言い、その誠実な心を偽り、他の天使たちを惑わそうとしました。
つまり、ルシファーは欺瞞に満ちた言葉を使い、腹心の仲間がまだはっきりしない頭に、邪悪な考えを吹き込みました。
やがて、ルシファーの腹心は自分の指揮下にいる各指揮の任に当たる天使たちを、時に多く呼び寄せ、時には一人ずつ呼び寄せ、指示に従うよう伝えました。
一同は、彼らの偉大な指導者の権威ある声に従います。ルシファーの名前は天使たちの間でも尊敬され、彼の天における地位は高かったのです。
星の群れを率いる明けの明星のようなルシファーに魅了され、彼に従った者の数は、実際に全天使の3分の1にも及んでいました。