天使間アルマゲドンNo.12

大天使ミカエルの一撃

堕天使ルシファー vs 大天使ミカエル

ただ、ミカエルの剣は神の武器庫から賜わったもの。さすがに鍛えぬかれており、その剣にはどんなに鋭い剣もたち向かうことはできません。ミカエルは、真向から一挙でほうむり去ろうと、激しい勢いでその剣をふりおろしました。

ルシファーははっしとその剣を剣で受け止めましたが、その次の瞬間、ルシファーの剣は真っ二つに切断されてしまいました。

さらに、ミカエルは目にもとまらぬ速さで剣を後方に弧を描いてふりかぶり、再びルシファー目がけてふりおろしました。
今度は、その剣は彼の右の脇腹を深くえぐったのです。

この時、ルシファーは初めて苦痛を知り、身をよじり転々ところげまわりました。ミカエルの剣はそれほど深く身体に食い込み、無残な傷ロを大きくあけたのです。

堕天使ルシファーを襲う、 大天使ミカエルの一撃

ルシファーの誇り、打ち砕かれる

だが、まだルシファーの肉体は天使としての霊質を失っていません。あいていた傷ロはもまなく塞がってきました。
しかし、もし天使が血を流すとすればかくもあろうかと思われるような、聖なる血ににた体液がその深傷から噴き出していました。

それまで絢欄と輝いていたルシファーの鎧を真っ赤に染めてたのです。

たちまち、多くの精鋭天使の一隊が、四方八方からルシファーの救援に駈けつけます。中に割って入り、彼の防衛に当たります。
一方、他の一隊はルシファーを楯に乗せ、戦列から離れた地点に置かれていた戦車に運んでゆき、静かに彼を寝かせました。

ルシファーの力において神と同等であるはずだという、自信が打ち砕かれてしまいました。天下無敵どころか、ミカエルの反撃にあって誇りも泥まみれになったという屈辱とで、どうしようもなく歯ぎしりして怒っていました。

天使の身体の秘密

それでも、ルシファーの深傷はまもなく癒えました。なぜなら、天使というものは、脆い人間のように、脳、心臓、肝臓や腎臓といった体の内部のいろんな器官それぞれにおいてではなく、体のあらゆる部分においてその生命力を維持しています。つまり、全身的な打撃によるのでなければ、死ぬということはありえないのです。

また、流動的な組織をもつその霊質は、あたかも流れただよう空気と同じように、致命的な傷を受けることはなんらありえません。

天使は、あたかも全身これ心臓であり、頭脳であり、眼であり、耳であり、知性であり、感覚であるかの如くに生きているのです。

自由自在、その思うとおりの体躯を自ら具え、また好むがままに、密であれ疎であれ、いかなる色であれ、いかなる形、大きさであれ、具えることができるのです。

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