いや〜ワシ(神様)もビックリしたな〜。
まさか、サライが夫アブラムに
自分の召使いから子を産ませようとしたのには。
その召使いの名は、ハガル。
でも、ワシ
アブラムとサライには、あとで
子を授けようとしてたんだよ。
アブラムが100歳になってからね。
ちょっと遅いか......
まぁ、二人とも80代だったから
サライは、もう自分には子を産めないと
諦めてしまってたんだね。
それで、すごく夫アブラムに
引け目を感じていたんだ。
でも、アブラムもよくハガルを抱いたもんだ!
ハガルだって、よくアブラムを受け入れたよね〜。
いくら、主人だって、素直に抱かれないでしょ。
今のご時世では、セクハラ確定だよ。
まぁ、それで子ができた。
サライもアブラムも最初は喜んだんだが...
ハガルは、
だんだんサライを見下げるようになったんだ。
女って、子ができると強くなるんだね〜。
召使いの身でありながら、
女主人の言うことをきかなくなった。
「わたしはアブラムの子を身ごもったのよ。
ご主人様は、子ができない体なんでしょ。
アブラムの子孫は、これからずっとわたしの子孫よ」
男たちよ!女は怖いね〜。
くれくれも女には気をつけなさい。
サライは苦しんで苦しんで、
とうとう、カンシャクを起こした。
だから、夫アブラムに、
「ハガルの態度がでかくなったのはあなたのせいよ」
って言ってしまった。
今度はアブラムがカッチーンときた。
「ハガルは、お前の召使いだろ。おれは抱いただけ」
「ええ、ええ、若い体でいい思いをしたでしょ
少しは、私の身になってよ」
「............」
アブラムに言ってもラチがあかないので
サライは、ハガルに嫌がらせをはじめる。
そしたら、
ハガルは井戸のある荒野に逃げてしまった。
ワシ、事情はよ〜くわかっていたので
偉そうにした身重のハガルもかわいそうだし、
天使を遣いに出したんだ。
「神様はあなたに祝福を与えます。
だから、サライの元に帰り、子を産みなさい。
男の子が生まれるから、イシュマルと名付けなさい」
「あなたはエル・ロイです」
と、ハガルは答えたんだ。
これはね、天使を通してワシに言ったのだよ。
エル・ロイとはね、
「私を見ておられる神」という意味だからね。
そして、この荒野の井戸を
「ベエル・ラハイ・ロイ」と呼ぶようになったんだ。
ハガルは、サラのとこに戻り
イシュマルという子を産む決心をしたの。
※アブラムはアブラハムに、サライはサラに名が変わります。