ルシファーの軍勢は一夜のうちに、悪魔の新兵器を造り上げました。兵器を立方形の隊形の中に隠し、さらに敵の軍団からは見えないように上からも密集部隊で覆っていました。そして、ついにルシファーの悪魔の新兵器が火を吹いたのです。
ルシファーの軍勢、新兵器を1日で造る！
ルシファーから新兵器の構想を聞くと、部下たちはすぐに会議の場を離れ、仕事に取り掛かりました。今や、消沈してぼんやりと立っている者は一人もおらず、全員が喜び勇んで新兵器を製作し始めました。
そして、天国の大地を広い範囲にわたって掘り起こすと、自然の原料が生のまま現れました。泡状になっている硫黄と硝石を取り出し、それらを混ぜ合わせました。さらに巧みな技術を使い、焼き、乾燥させて真っ黒な粒状のもの、つまり火薬にしました。
また、一部の者は地下から金属や岩石を掘り出し、それを材料として砲身や弾丸を造りました。他の一隊は火縄を用意し、これで瞬時に爆発を起こせるようにしました。
こうして、朝が訪れる前にこっそりと作業を終え、次の戦いの準備を整えたのです。
全能の神の軍団、進撃を開始
朝日が東の空に昇ると同時に、全能の神の天使たちは目を覚ましました。
朝のラッパが鳴り響き、全軍はすぐに黄金の甲冑を身に着け、武器を手に取り、整然と隊列を組みました。華やかな大軍が姿を現しました。
一部の者は、ようやく白みがかった山の頂上から周囲を見渡し、他の者は軽装の斥候として各地域や方向への偵察に出かけました。敵がどこに陣取っているか、あるいはどこに逃げたのか、現在移動中なのかを確認するためです。
まもなく、斥候隊は敵と遭遇しました。ゆっくりと、しかし堅固な隊形で近づいてくるルシファーの軍勢を見つけました。斥候の隊長は陣地に戻ると、空から大声で叫びました。
「武器を取り、戦闘の準備をせよ、我が戦士たち！ 敵がもうすぐ近くまで来ている！ 昨日逃げたとは思えぬほど、敵は闘志を燃やしている！ 皆に告げよう！ すぐに兜を被り、金剛石の鎧を着け、楯を手に取って前進せよ。私の予想が当たれば、今日は嵐が来る。霧雨ではなく、激しい嵐だ」
全軍は迅速に戦闘態勢を整え、整然と隊列を組んで進撃を開始しました。
ルシファーの悪魔の新兵器、姿を現わす！
その頃には、すでにルシファーの軍勢は、重々しい足取りで近づいていました。その隊形は立方形で、前後左右はもちろん、上からも密集した部隊が覆っていて、中には悪魔の兵器が隠されていました。
ルシファーが先頭に立つと、大声で命令を下しました。
「前衛部隊は、正面の隊形を左右に開き、すぐに散開せよ！ 我々を憎む敵軍全員に背を向けて逃げることなく、我々の平和と和解の申し出を素直に受け入れる用意があることを知らせよう。
しかし、果たして事がそう簡単に運ぶかどうか……。ともあれ、天よ、見よ！ 我々が己の仕事を心ゆくまで果たすのを見よ！
お前たちは命じられた通りに行動し、こちらから口火を切り、全員に聞こえるよう大きな声でやれ！」
ルシファーが嘲るような調子でその命令を下すと、正面の軍勢はすぐに左右に散開し、両翼に素早く退いた。
すると、突然、車輪の上に積まれた三列に並んだ、非常に奇妙な円柱が現れた。確かに円柱のようで、森や山で切り倒され、枝を払われ、内側がくり抜かれた、木の丸太のように見えました。
しかし、それは真鍮や鉄、石材で作られていました。
新兵器の背後には一人ずつ、天使が火のついた葦を持って立っていました。全能の神の軍団は、動揺しながらも、落ち着いて今後の状況を見守りました。しかし、それも束の間のことでした。
ついに、ルシファーの悪魔の新兵器が火を吹いたのです。
