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聖マタイの召命カラヴァッジョ〈聖マタイの召命〉

聖マタイの召命「わたしに従ってきなさい」

イエスはまた海べに出て行かれると、多くの人々がみもとに集まってきたので、彼らを教えられた。

また途中で、アルパヨの子レビが収税所にすわっているのをごらんになって、「わたしに従ってきなさい」と言われた。すると彼は立ちあがって、イエスに従った。

それから彼の家で、食事の席についておられたときのことである。多くの取税人や罪人たちも、イエスや弟子たちと共にその席に着いていた。こんな人たちが大ぜいいて、イエスに従ってきたのである。

パリサイ派の律法学者たちは、イエスが罪人や取税人たちと食事を共にしておられるのを見て、弟子たちに言った、
「なぜ、彼は取税人や罪人などと食事を共にするのか」

イエスはこれを聞いて言われた、
「丈夫な人には医者はいらない。いるのは病人である。わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招くためである」
(マルコによる福音書)

マタイの霊感カラヴァッジョ〈聖マタイの霊感〉

イエスの時代、徴税人は、欲が深くて、貪欲な者がなる仕事だとされ、人々から忌み嫌われていました。徴税人は毎年決まった額をローマに納めることになっていましたが、その徴収方法は一任されていました。そのため、徴税人は人々を脅迫するなどして、税金を余計に納めさせ、その余分を自らの収入としていました。

マタイは「随順の早さ」と「気前のよさ」という気質を持っていたようです。さらに、自分が徴税人であったことを隠さなかった「謙徳」とマタイの記した「マタイによる福音書」に与えられている「特別に高い地位」と合わせて、マタイには「4つの徳」が備わっていたといわれています。

新約聖書の最初の書「マタイによる福音書」を記します。紀元80年〜90年頃、ユダヤ教からキリスト教への改宗者(同胞のユダヤ人)へ向けたものとされています。イエスの教えを満遍なく記されており、初代教会の時代から権威あるものとして重要視され、世界中でよく使われている福音書となっています。

マタイおよびマタイの福音書は、しばしば『エゼキエル書』「人」のシンボルであらわされる。
顔の形は、おのおのその前方に人の顔をもっていた。四つの者は右の方に、ししの顔をもち、四つの者は左の方に牛の顔をもち、また四つの者は後ろの方に、わしの顔をもっていた。

(エゼキエル書 第1章)

背後から剣で刺されたマタイ

イエスの死後、マタイは使徒として、各地で布教活動を行います。エチオピアの教会で、日曜日に説教を行なったところ、ヒルタコス王にとって期待外れの内容(王を非難する内容)だっため、王を激怒させてしまいます。

説教の後、祭壇の前で手を広げて祈っていると、王が送った刑吏により、背後から剣で刺されて殉教したといわれています。

聖マタイの殉教カラヴァッジョ〈聖マタイの殉教〉