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聖顔布を手にする聖ヴェロニカ〈聖顔布を手にする聖ヴェロニカ〉

十字架を背負いゴルゴタの丘へと歩くイエス・キリスト。足元がふらついて倒れた時、手を差しのべ、額の汗を拭くようヴェールを差し出したのが聖ヴェロニカです。

キリストは汗を拭き、ヴェールを彼女へ返します。すると、ヴェールにはキリストの顔が転写されたかのように残りました。このことから、絵画や彫像に〈聖ヴェロニカの聖顔布〉として表現されてきました。また、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂の聖ヴェロニカ像の左奥の支柱の中に、その聖顔布が保管されているということです。

また、イエス・キリストが死んだ時、その体を被った布に全身像が映し残ったのが〈トリノ聖骸布〉として有名です。

トリノ聖骸布〈トリノ聖骸布〉

(ルカによる福音書 第23章)

彼らがイエスをひいてゆく途中、シモンというクレネ人が郊外から出てきたのを捕えて十字架を負わせ、それをになってイエスのあとから行かせた。

大ぜいの民衆と、悲しみ嘆いてやまない女たちの群れとが、イエスに従って行った。

イエスは女たちの方に振りむいて言われた、
「エルサレムの娘たちよ、わたしのために泣くな。むしろ、あなたがた自身のため、また自分の子供たちのために泣くがよい。『不妊の女と子を産まなかった胎と、ふくませなかった乳房とは、さいわいだ』と言う日が、いまに来る。

そのとき、人々は山にむかって、われわれの上に倒れかかれと言い、また丘にむかって、われわれにおおいかぶされと言い出すであろう。もし、生木でさえもそうされるなら、枯木はどうされることであろう」

※「悲しみ嘆いてやまない女たちの群れ」の中に聖ヴェロニカもいたことでしょう。

聖ヴェロニカ(サン・ピエトロ大寺院)モーキ〈聖ヴェロニカ〉
この聖ヴェロニカ像の左奥の支柱の中に
聖顔布が保管されているということです。