〈旧約聖書外典「ユディト記」〉
ユディトはマナセと結婚しましたが、夫を日射病で早く死んでしまい寡婦になっていました。彼女は強い信仰をもって神に身を捧げていたため、独り身のままでした。
ある日、アッシリアの王ネブカドネザルはメディア王との戦いにおいて協力しなかったベトリアという街を包囲しました。司令官ホロフェルネスです。
ベトリアの指導者オジアは、すでに降伏を決意していました。そこで、ユディトはある作戦をオジアに話しました。ユディトは自分の体を与えてホロフェルネスに取り入ろうと決心したのです。
美しく着飾ったユディトは、ホロフェルネスの陣営にやってきました。彼はユディトの美しさに惚れ込み、彼女が町へ案内するという提案を受け入れました。何日かの宴の後、ホロフェルネスは彼女を寝室に招きました。
しかし、すっかり泥酔してしまっていたためすぐ眠り込んでしまいました。
すかさず、ユディトは彼の短剣をとり首を切り落としました。寝室の外にひかえたいた侍女を呼び、首を持って、ベトリアの街にもどり指導者オジアに報告しました。これに意を固めたオジアは、次の朝ホロフェルネス軍に立ち向かいました。
ホロフェルネス軍内ではすでに司令官が殺害されたことが、知れわたり戦意が落ちていました。オジア軍は勝利をえました。こうして、ベトリアの町は自由を取り戻すことができたのです。
ユディトは105歳まで信仰をもって、ベトリアの町で一人静かに暮しました。