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ユダの接吻ジョット〈ユダの接吻〉

またきてごらんになると、彼らはまた眠っていた。その目が重くなっていたのである。それで彼らをそのままにして、また行って、三度目に同じ言葉で祈られた。

それから弟子たちの所に帰ってきて、言われた、
「まだ眠っているのか、休んでいるのか。見よ、時が迫った。人の子は罪人らの手に渡されるのだ。立て、さあ行こう。見よ、わたしを裏切る者が近づいてきた」

そして、イエスがまだ話しておられるうちに、そこに、十二弟子のひとりのユダがきた。また祭司長、民の長老たちから送られた大ぜいの群衆も、剣と棒とを持って彼についてきた。

イエスを裏切った者が、あらかじめ彼らに、「わたしの接吻する者が、その人だ。その人をつかまえろ」と合図をしておいた。

キリストの捕縛カラヴァッジオ〈キリストの捕縛〉

彼はすぐイエスに近寄り、「先生、いかがですか」と言って、イエスに接吻した。
しかし、イエスは彼に言われた、「友よ、なんのためにきたのか」

このとき、人々が進み寄って、イエスに手をかけてつかまえた。すると、イエスと一緒にいた者のひとりが、手を伸ばして剣を抜き、そして大祭司の僕に切りかかって、その片耳を切り落した。

そこで、イエスは彼に言われた、
「あなたの剣をもとの所におさめなさい。剣をとる者はみな、剣で滅びる。それとも、わたしが父に願って、天の使たちを十二軍団以上も、今つかわしていただくことができないと、あなたは思うのか。しかし、それでは、こうならねばならないと書いてある聖書の言葉は、どうして成就されようか」

そのとき、イエスは群衆に言われた、
「あなたがたは強盗にむかうように、剣や棒を持ってわたしを捕えにきたのか。わたしは毎日、宮ですわって教えていたのに、わたしをつかまえはしなかった。しかし、すべてこうなったのは、預言者たちの書いたことが、成就するためである」

そのとき、弟子たちは皆イエスを見捨てて逃げ去った。

(マタイによる福音書)