ティエポロ〈砂漠でマナを集めるイスラエル人〉
〈出エジプト記〉
主はモーセに言われた、
わたしはイスラエルの人々のつぶやきを聞いた。彼らに言いなさい、『あなたがたは夕には肉を食べ、朝にはパンに飽き足りるであろう。そうしてわたしがあなたがたの神、主であることを知るであろう』と」
夕べになると、うずらが飛んできて宿営をおおった。また、朝になると、宿営の周囲に露が降りた。その降りた露がかわくと、荒野の面には、薄いうろこのようなものがあり、ちょうど地に結ぶ薄い霜のようであった。
イスラエルの人々はそれを見て互に言った、
「これはなんであろう」。彼らはそれがなんであるのか知らなかったからである。
モーセは彼らに言った、
「これは主があなたがたの食物として賜わるパンである。主が命じられるのはこうである、『あなたがたは、おのおのその食べるところに従ってそれを集め、あなたがたの人数に従って、ひとり一オメルずつ、おのおのその天幕におるもののためにそれを取りなさい』と」
イスラエルの人々はそのようにして、ある者は多く、ある者は少なく集めた。しかし、オメルでそれを計ってみると、多く集めた者にも余らず、少なく集めた者にも不足しなかった。おのおのその食べるところに従って集めていた。
モーセは彼らに言った、
「だれも朝までそれを残しておいてはならない」
しかし彼らはモーセに聞き従わないで、ある者は朝までそれを残しておいたが、虫がついて臭くなった。モーセは彼らにむかって怒った。彼らは、おのおのその食べるところに従って、朝ごとにそれを集めたが、日が熱くなるとそれは溶けた。
イスラエルの家はその物の名をマナと呼んだ。それはコエンドロの実のようで白く、その味は蜜を入れたせんべいのようであった。