そのペリシテびとは進んできてダビデに近づいた。そのたてを執る者が彼の前にいた。ペリシテびとは見まわしてダビデを見、これを侮った。まだ若くて血色がよく、姿が美しかったからである。
ペリシテびとはダビデに言った、
「つえを持って、向かってくるが、わたしは犬なのか」
ペリシテびとは、また神々の名によってダビデをのろった。
ペリシテびとはダビデに言った、
「さあ、向かってこい。おまえの肉を、空の鳥、野の獣のえじきにしてくれよう」
ダビデはペリシテびとに言った、
「わたしは万軍の主の名、すなわち、おまえがいどんだ、イスラエルの軍の神の名によって、おまえに立ち向かう。きょう、主は、おまえをわたしの手にわたされるであろう。わたしは、おまえを撃って、首をはね、ペリシテびとの軍勢の死かばねを、きょう、空の鳥、地の野獣のえじきにし、イスラエルに、神がおられることを全地に知らせよう」
そのペリシテびとが立ち上がり、近づいてきてダビデに立ち向かったので、ダビデは急ぎ戦線に走り出て、ペリシテびとに立ち向かった。ダビデは手を袋に入れて、その中から一つの石を取り、石投げで投げて、ペリシテびとの額を撃ったので、石はその額に突き入り、うつむきに地に倒れた。
こうしてダビデは石投げと石をもってペリシテびとに勝ち、ペリシテびとを撃って、これを殺した。ダビデの手につるぎがなかったので、ダビデは走りよってペリシテびとの上に乗り、そのつるぎを取って、さやから抜きはなし、それをもって彼を殺し、その首をはねた。
ダビデは、あのペリシテびとの首を取ってエルサレムへ持って行ったが、その武器は自分の天幕に置いた。
サウルはダビデがあのペリシテびとに向かって出ていくのを見て、軍の長アブネルに言った、
「アブネルよ、この若者はだれの子か」
アブネルは言った、
「王よ、あなたのいのちにかけて誓います。わたしは知らないのです」
王は言った、
「この若者がだれの子か、尋ねてみよ」
ダビデが、あのペリシテびとを殺して帰ってきた時、アブネルは、ペリシテびとの首を手に持っている彼を、サウルの前に連れて行った。
サウルは彼に言った、
「若者よ、あなたはだれの子か」
ダビデは答えた、
「あなたのしもべ、ベツレヘムびとエッサイの子です」