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ラファエロ「キリストの変容」ラファエロ〈キリストの変容〉

六日ののち、イエスはペテロ、ヤコブ、ヤコブの兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。

ところが、彼らの目の前でイエスの姿が変り、その顔は日のように輝き、その衣は光のように白くなった。すると、見よ、モーセとエリヤが彼らに現れて、イエスと語り合っていた。

ペテロはイエスにむかって言った、
「主よ、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。もし、おさしつかえなければ、わたしはここに小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのために、一つはモーセのために、一つはエリヤのために」

彼がまだ話し終えないうちに、たちまち、輝く雲が彼らをおおい、そして雲の中から声がした、
「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。これに聞け」

弟子たちはこれを聞いて非常に恐れ、顔を地に伏せた。

イエスは近づいてきて、手を彼らにおいて言われた、
「起きなさい、恐れることはない」

彼らが目をあげると、イエスのほかには、だれも見えなかった。

一同が山を下って来るとき、イエスは「人の子が死人の中からよみがえるまでは、いま見たことをだれにも話してはならない」と、彼らに命じられた。弟子たちはイエスにお尋ねして言った、「いったい、律法学者たちは、なぜ、エリヤが先に来るはずだと言っているのですか」

答えて言われた、
「確かに、エリヤがきて、万事を元どおりに改めるであろう。しかし、あなたがたに言っておく。エリヤはすでにきたのだ。しかし人々は彼を認めず、自分かってに彼をあしらった。人の子もまた、そのように彼らから苦しみを受けることになろう」

そのとき、弟子たちは、イエスがバプテスマのヨハネのことを言われたのだと悟った。

(マタイによる福音書)