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ハンガリーの聖エリザベト

8月11日は、カトリック教会で「ハンガリーの聖エリザベト」を記念する日です。

彼女は王家の生まれながら、貧しい人びとに深く寄り添い、若くして神の愛を実践した女性です。

夫の死や追放という大きな苦難を経験しながらも、エリザベトは多くの人に希望をもたらし、今も“愛の聖人”として親しまれています。

聖エリザベト|プロフィール

  • 名前
    ハンガリーの聖エリザベト/St. Elizabeth of Hungary
  • 生没年
    1207〜1231年
  • 出身地・時代背景
    ハンガリー王家に生まれ、ドイツのテューリンゲン伯領で教育を受けた。中世ヨーロッパで十字軍や封建制が広がる時代。
  • 肩書き・役職
    ハンガリー王女、テューリンゲン伯妃、聖フランシスコ会第三会員

聖エリザベトの生涯

幼年期と婚約

1207年、ハンガリー王アンドラーシュ2世の王女として誕生したエリザベトは、わずか4歳でドイツのヘルマン伯の子息ルートヴィヒと婚約しました。未来の伯妃として必要な教育を受けるため、彼女は早くからドイツへ渡り、城で育てられました。

幼い頃から敬虔で、祈りと慈しみに満ちた性格でしたが、その姿に反感を持つ宮廷人もいました。それでもヘルマン伯とルートヴィヒは、エリザベトを大切に守り続けました。

結婚と奉仕の生活

1221年、エリザベトはルートヴィヒと結婚します。二人は深い愛情で結ばれ、1男2女をもうけました。夫婦仲はきわめて良く、ルートヴィヒもまたエリザベトの信仰と慈善活動を理解し、励ましていたと伝えられます。

エリザベトは祈りと節制に励みながら、貧しい人々や病人を城に迎えて世話をしたり、食べ物や衣服を分け与えたりしました。特に、疫病が流行したときには、自ら病人の看護に立ち、たとえ王女であっても、弱い人のそばに立つ姿勢を崩しませんでした。

夫の死と追放

しかし、1227年に夫ルートヴィヒが十字軍遠征中に病死すると、状況は一変します。ルートヴィヒの兄弟たちは後継者争いを理由に、エリザベトと幼い子どもたちを城から追放しました。

行き場を失った彼女たちはアイゼナハへ逃れますが、町の人々から受け入れられず、極めて厳しい生活を強いられました。かつての王女とは思えない困難な日々でした。

フランシスコ会との出会いと奉仕

この苦境の中でも、エリザベトは祈りと慈善の精神を失いませんでした。やがて教皇のとりなしによって、息子が後継者として認められ、子どもたちは保護されることになります。

一方、エリザベト自身は宮廷を離れ、聖フランシスコの第三会に入り、よりいっそう貧しい人に寄り添う生活を始めました。

持っていた財産を使って病院を建て、そこで彼女自身が貧しい病人の看護にあたりました。その姿は「王女であることを捨てて、キリストのために仕える人」として、周囲に深い感動を与えたといわれています。

若すぎる死

その後、わずか4年の働きを経て、1231年、わずか24歳で帰天しました。

短い生涯でしたが、エリザベトが示した隣人愛と献身は、ドイツ中に広まり、彼女を慕って多くの病院や施設が「エリザベト」の名を冠するようになりました。

聖エリザベトの名言・エピソードから学ぶ

「私は、キリストを苦しむ人々の中に見つけたいのです。」
これは、彼女が貧しい人を助ける理由を尋ねられたときの有名な言葉です。

病人の体を洗い、食事を運び、衣服を与えるとき、エリザベトは“その人の中にキリストを見る”という心で仕えていました。
彼女の慈善は、単なる同情ではなく、信仰に根ざした愛の実践でした。

カトリック的ポイント解説

エリザベトは「隣人愛」と「貧しさの精神」という福音の中心的テーマを生涯で体現しました。

聖フランシスコ会第三会に入ったことで、彼女は“自分を低くし、弱い人に寄り添う”というフランシスコ精神を実践しました。

現代の教会では、彼女は病院・慈善事業・社会福祉の守護聖人として尊ばれています。

聖エリザベト|ゆかりの地・書籍・芸術

ドイツ・マールブルクには、彼女を記念する聖エリザベト教会が建てられ、巡礼地となっています。

彼女の生涯は中世から多くの絵画や彫刻で描かれ、特に「パンをバラに変えた奇跡」(※信心伝承)を主題にした作品が有名です。

伝記としては『St. Elizabeth of Hungary: Patroness of the Third Order』などがよく読まれています。

まとめ|今日の聖人から学べること

ハンガリーの聖エリザベトは、王女でありながら貧しい人々の中にキリストを見つけ、愛と奉仕を実践した女性です。

夫の死と追放という大きな苦しみの中でも、人を助ける心を失わず、持っていたものを分け与えました。財産で病院を建て、自ら病人の看護にあたった彼女の姿は、今も多くの人を励まします。

エリザベトは、私たちに「どんな境遇でも、愛は実践できる」ということを教えてくれます。