
11月27日は、カトリック教会で「聖ヤコボ・インテルチーズス」を記念する日です。
彼は一度は信仰を捨ててしまったものの、悔い改めて神へ立ち返り、最後は殉教によって信仰を守り抜いた人物です。
弱さを抱えながらも立ち上がったその姿は、現代を生きる私たちの心にも深い励ましを与えてくれます。
Contents
聖ヤコボ・インテルチーズス|プロフィール
- 名前
聖ヤコボ・インテルチーズス/Saint James Intercisus - 生没年
4世紀後半〜421年ごろ - 出身地・時代背景
古代ペルシャ(サーサーン朝)。キリスト教が迫害される厳しい環境の中で生きた。 - 肩書き・役職
宮廷の役人、殉教者
聖ヤコボ・インテルチーズスの生涯
青年期からの転機|信仰を捨ててしまった苦悩
ヤコボはペルシャに生まれ、キリストを深く信じて育ちました。若いころにはペルシャ王・エディゲルド1世に仕える宮廷役人になり、その立場ゆえ王からの信頼も厚かったといわれています。
しかし、420年ごろ王がキリスト教を激しく迫害し始めると状況が一変します。ヤコボは自分の立場や家族への影響を恐れ、信仰を捨ててしまいました。この決断は後になって、彼の心に深い傷となって残ります。
王の死後、ヤコボの両親や妻は、信仰を裏切った彼を激しく責め、関係を断つ手紙を送りました。家族から離れられ、彼は強い罪悪感と孤独に打たれ、ようやく自分が犯した罪と向き合うようになります。
信仰と活動の展開|回心と宮廷からの離脱
大きな衝撃を受けたヤコボは、王宮を離れ、真剣に悔い改め、神のもとに立ち返る決意をします。その姿勢は周囲のキリスト者たちにも知られ、彼は再び信仰者として歩み始めました。
しかし、その噂は新しい王・バーラムの耳にも届きます。王は激怒し、ヤコボに「再び信仰を捨てるか、さもなくば処刑する」と迫りました。
ヤコボは静かに、しかし力強くこう答えたと伝えられています。
「たとえ苦しい死が待っていても、永遠のいのちの前では比べることなどできません。」
晩年の苦難と殉教|切り刻まれながらも祈り続けた
王の怒りは激しく、彼には恐ろしい刑が宣告されました。体を少しずつ切り刻むという、極めて残酷な方法でした。
その処刑の様子を、同時代のキリスト者たちも見守っていたと言われています。ヤコボは苦痛に耐えながらも、最後まで祈りをやめませんでした。
そのため彼には「インテルチーズス(細かく切り刻まれた)」という名前が添えられています。421年ごろ、ヤコボは信仰を守りぬいて殉教しました。彼の勇気と回心の物語は、東西の教会で長く語り継がれています。
聖ヤコボ・インテルチーズスの名言・エピソードから学ぶ
「この苦しい死も、永遠の生命を得るためならば比べものになりません。」
この言葉は、死の直前に王へ語ったと伝えられています。
恐ろしい状況にありながら、彼は永遠のいのちという希望をしっかりと心に抱いていました。弱さを知りつつも、立ち返った者に与えられる神のゆるしと力を、彼自身が体験していたからこそ語れた言葉です。
カトリック的ポイント解説
聖ヤコボの生涯は、「回心」の大切さを象徴しています。
一度信仰から離れてしまったとしても、やり直す道は閉ざされてはいません。むしろ、神はいつでも戻ってくる者を受け入れてくださるという教えを彼の生涯は示しています。
また、彼の姿から「良心と勇気」も学べます。恐れに負けてしまう弱さを経験しつつも、後にそれを乗り越えた彼の歩みは、現代の私たちにも大きな希望を与えます。
聖ヤコボ・インテルチーズス|ゆかりの地・書籍・芸術
・聖ヤコボの殉教地として現在のイラン地域が知られています。
・東方教会やシリア教会で特に敬われ、聖遺物を祀る教会も存在します。
・中世の教会美術では、体を切り刻まれる姿で描かれることが多く、その象徴は彼の殉教の強さを表しています。
・英語では "James the Intercisus" と呼ばれ、複数の殉教伝にその物語が記されています。
まとめ|今日の聖人から学べること
聖ヤコボ・インテルチーズスの物語は、弱さを抱えるすべての人に向けられた励ましです。
彼は一度信仰を捨ててしまいましたが、家族の言葉をきっかけに深く悔い改め、信仰に立ち返りました。そして、恐れを乗り越えて神への愛を貫き通しました。
私たちも失敗や後悔を抱えることがありますが、そこからもう一度立ち上がることができます。神は、戻ってくる者をいつでも優しく迎えてくださる――そのことを思い出させてくれる聖人です。
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