2月6日は、カトリック教会で「聖アガタおとめ殉教者」を記念する日です。
聖アガタは、若く美しく教養のある女性でしたが、信仰のために結婚を拒み、身体を傷つけられても命をかけてキリストへの忠誠を守りました。
その姿は、初代教会の時代から多くの人びとの心を打ち続けています。
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アガタは、シチリア島カタニアの貴族の家に生まれました。
教養に恵まれ、美しさでも知られていた彼女は、若いころからキリストに身をささげる生き方を選びます。
島の知事は、アガタに結婚を申し込みました。しかし彼女は、信仰を理由にこれを拒否します。
怒った知事は、彼女を法廷に引き出し、キリスト教徒であることを理由に裁きました。
信仰を捨てさせるため、アガタは激しい拷問を受けました。
伝えられている中でも、乳房を切り取られる拷問は、彼女の信仰の強さを象徴する出来事です。
衰弱しながらも、彼女は祈りをやめませんでした。
そのとき、聖ペトロが現れて彼女を励まし、傷が癒やされたと伝えられています。
それでも信仰を捨てなかったアガタは、炭火と焼けた石の上を引きずられる拷問を受けました。
やがて牢獄の中で息を引き取り、殉教の死を遂げます。
聖アガタ自身の言葉は多く残っていません。
しかし、苦しみの中でも祈り続けた姿そのものが、強い証しとなっています。
信仰は、状況によって揺らぐものではない。そのことを、彼女の生涯は静かに語っています。
聖アガタは、身体の尊厳と信仰の自由を守った聖女です。
彼女が乳房を象徴として描かれるのは、苦しみを受けた身体さえも神にささげたことを示しています。
後に教皇グレゴリオ一世も彼女をたたえ、ローマに聖堂を建てました。
エトナ火山が噴火したとき、聖アガタの遺物によって町が救われたと伝えられています。
このことから、彼女は火災や噴火から町を守る守護聖人とされました。
今もカタニアでは、彼女への深い信仰が受け継がれています。
聖アガタおとめ殉教者は、弱さの中でこそ信仰が試されることを示した聖女です。
力によらず、剣によらず、祈りによって信仰を守り抜きました。
その生き方は、苦しい状況にある人びとに、静かな勇気を与え続けています。