【ヨハネの黙示録 第18章】
かつて栄華を誇った大都市バビロン……その最期は、天から下ったひとりの御使の声によって告げられました。
「倒れた、大いなるバビロンは倒れた！」と。
彼の栄光によって地は照らされ、叫びは天地を震わせました。
その都は今や、悪霊と汚れた霊、憎むべき鳥の巣くつと化しました。かつてこの地は快楽のぶどう酒に酔いしれ、王たちは姦淫を行い、商人たちはその贅沢で富を得ていました。
欲望の頂点に立つ都市——それがバビロンでした。
天からもうひとつの声が響きます。
「わたしの民よ、彼女から離れ去れ！」罪に巻き込まれ、災害にあずかってはならない、と。その罪は積もりに積もり、神の前にまで届いたのです。
バビロンの淫婦が他者に与えた傷、流させた血、貪った快楽——そのすべてに倍の報いが与えられるのです。
彼女が自ら混ぜて差し出したぶどう酒の杯には、神の憤りを満たす倍の苦しみが注がれました。
「彼女がしたとおりに、彼女に返せ！」
栄華の陰で踏みにじられた命たちの叫びに、ついに天が応えたのです。
高ぶり、奢りに酔いしれたその魂は、同じだけの苦しみと悲しみで砕かれました。
そしてその日が来ました——死と悲しみと飢きんが、一日で彼女を襲い、火で焼かれて滅びるのです。その裁きを下す主なる神は、力強く、ためらいなく実行されたのです。
その姿を見た地の王たちは、火の煙を遠くから見つめ、胸を打って泣き叫びます。
「ああ、わざわいだ、大いなる都、バビロンよ。」
「ああ、わざわいだ、不落の都が、一瞬で滅びた。」
金、銀、宝石、香料、奴隷、人の命……そのすべてを売買していた商人たちは、商品を買う者がいなくなったことに涙します。
「ああ、わざわいだ、金と宝石で飾られた都よ。」
「これほどの富が、一瞬にして消え去るとは！」
海の男たち、船長たちも叫びます。
「ああ、わざわいだ！ これほどの都はどこにあろうか！」
「海で働く者たちが富を得たこの都が、なぜ一瞬で滅んでしまうのか！」
彼らの悲しみは深く、嘆きの声は地に響きました。
しかしその一方で、天の声はこう呼びかけます——
「天よ、聖徒たちよ、使徒たちよ、預言者たちよ。この都のさばきを喜べ！ 神はあなたがたのために正義を行われた！」
最後に、ひとりの御使が大きなひきうすの石を海に投げ込みます。
「このようにバビロンは激しく打ち倒され、再び見られることはない！」
そこに音楽も職人も消え、あかりも灯らず、花嫁と花婿の声すら聞こえません。 なぜならこの都こそ、人を惑わせ、預言者や聖徒の血を流した張本人だったからです。
欲望と奢りの果てに待つのは、神のさばき。
「ああ、わざわいだ……」その叫びは、終末の鐘の音とともに、今もこだましています。
