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聖ユスト&聖パストル聖ユスト&聖パストル(イメージ)

8月6日は、カトリック教会で「聖ユスト&聖パストル」を記念する日です。

勇敢な少年たちが、信仰のために命をかけた――そんな兄弟の物語が、今日ご紹介する聖ユスト(Justus)と聖パストル(Pastor)です。
彼らは、わずか小学生くらいの年齢で、キリストへの愛をあらわし、迫害の中でその信仰を貫き通しました。

カトリックでは毎年8月6日、この兄弟殉教者の信仰を思い起こし、特別に祈りをささげます。その若さと勇気は、私たち大人にも大切な問いを投げかけてくれます。「あなたの信仰は、心からのものですか?」と――。

2. 聖ユスト&聖パストル|プロフィール

  • 名前
    聖ユスト(Justus)、聖パストル(Pastor)
  • 生没年
    およそ304年殉教
  • 出身地・時代背景
    ローマ帝国支配下のスペイン・アルカラ
  • 肩書き・役職
    殉教者、兄弟聖人

聖ユストと聖パストルは、4世紀初頭のスペイン・アルカラの町に住んでいた兄弟です。ローマ皇帝ディオクレティアヌスによる激しいキリスト教迫害の時代、彼らは幼いながらも信仰を選び、命をかけて神への忠実さを示しました。

当時のローマ帝国では、皇帝を「神」として礼拝することが強要され、それを拒むキリスト者たちは捕らえられ、拷問や処刑を受けていました。そんな中で、まだ10歳前後の兄弟が命を捧げたということは、信じがたいほどの勇気ある証し(あかし)だったのです。

3. 聖ユスト&聖パストルの生涯

幼い兄弟に訪れた試練

聖ユストと聖パストルの詳しい伝記は残っていませんが、彼らの殉教の出来事は、4世紀のスペインで語り継がれてきました。

伝承によると、兄弟は信仰深いキリスト教の家庭で育てられ、小さいころからイエス・キリストの教えを学び、大切にしていたそうです。ところが、皇帝ディオクレティアヌスによる大迫害が始まり、町の中でもキリスト教徒を見つけては処罰するよう命じられます。

このとき、なんと兄弟は自ら裁判官の前に出向き、「私たちはイエス・キリストを信じています」と名乗り出たと言われています。

恐れずに信仰を語ったふたり

捕らえられた聖ユストと聖パストルは、年齢が幼いという理由で赦されそうにもなったようです。しかし、ふたりは「自分の信仰を隠すことはできない」ときっぱり言い、むしろ堂々とイエス・キリストへの愛を語ったのです。

その強い信仰とまっすぐな姿勢に、役人たちは驚き、何度も「命を助けるから、ただ一言、信仰を否定すればいい」と説得したといいます。でも、兄弟は最後まで自分の信仰を貫き、斬首刑に処されました。

兄のユストは12歳、弟のパストルはわずか9歳だったとも伝えられています。

その後の評価と影響

ふたりの勇気ある信仰は、やがて周囲のキリスト教徒たちに大きな感動と信仰の励ましを与えました。殉教の地であるアルカラには、やがてふたりの名を冠した教会が建てられ、多くの巡礼者が訪れるようになります。

4. 聖ユスト&聖パストルの「名言・行動」に学ぶ

聖イシドロ・デ・トレド(7世紀)が記録した伝承によると、処刑へと導かれる途中のユストとパストルは互いに励まし合いました。ユスト(年少の兄)は弟にこう語りかけます。

恐れるな、弟よ。体の死や苦しみを。静かに剣の一撃を受けなさい。
このようなすばらしい恵みへと呼ばれた私たちには、未来に待つ苦しみを耐えるための力が神から与えられるのだ

それに応えてパストルは言いました。

よく言ったよ、兄よ。私は喜んで君と共に殉教の道を歩み、この戦いの栄冠をともに得よう

これらは、言葉そのもの以上に、彼らの行動と兄弟愛を通して示された「信じる勇気」から、私たちが深く学ぶことができる証しです。
聖人自身による公式な格言や書簡は残されていませんが、イシドロ・デ・トレドらによって語り継がれた伝承の中には、生きた信仰の姿がにじみ出ています。

当時まだ7歳と9歳だったユストとパストルは、学校から走り出て、自ら進んでローマの官憲の前に赴き、キリスト者としての信仰をはっきりと告白しました。
その勇気ある姿は、多くの大人の信徒たちの信仰に新たな励ましを与えました。

5. カトリック的ポイント解説|信仰・神学・祈りとの関係

信仰は年齢に関係なく育つ

聖ユストと聖パストルの生涯が示しているのは、「信仰は子どもにも与えられる神さまの恵み(神の愛の贈りもの)」ということです。

カトリックでは、洗礼を受けた子どもたちにも、聖霊(=神さまの力と導き)が働くと信じられています。だからこそ、子どもであっても「本物の信仰」を生きることができるのです。

また、彼らの姿は「殉教(じゅんきょう)」、つまり信仰のために命を捧げるという、教会において最も尊い証しの一つとなっています。現代では命を捨てるような迫害は少なくなりましたが、それでも「何を信じ、どう生きるか」という問いは、いつの時代も変わりません。

6. 聖ユスト&聖パストル|ゆかりの地・書籍・芸術作品

ゆかりの地

  • アルカラ・デ・エナレス(スペイン)
    聖ユストと聖パストルが殉教した町。現在も彼らの名を冠した「聖ユスト&パストル教会」があり、巡礼者が訪れています。
  • 教会は、後に司祭であり神学者である聖イシドロや、多くの司教たちにも深く影響を与えました。

書籍・伝記

ふたりに関する伝記は中世の文書としていくつか残されていますが、現代日本語で読める資料はあまり多くありません。ただし、カトリックの子ども向け聖人図鑑などには、わかりやすく紹介されていることがあります。

芸術作品

ふたりの像は、多くの場合、手に十字架やヤシの葉(殉教の象徴)を持つ姿で描かれているそうです。

7. まとめ|今日の聖人から何を学ぶ?

「年齢に関係なく、信仰を生きることができる」――これが、聖ユストと聖パストルから学べる大切な教えです。

小さな兄弟が示してくれたように、真実の信仰には年齢も立場も関係ありません。「私は神さまを信じています」と、小さな声で言うだけでも、それは大きな証し(あかし)になるのです。

私たちもまた、ふたりのように素直な心で神さまに向かい、「はい」と答える一日を歩んでまいりましょう。

明日はまた、新たな聖人の物語とともに、私たちの信仰の旅を続けてまいります。どうぞお楽しみに。