9月13日は、カトリック教会で「聖ヨハネ・クリゾストモ」を記念する日です。
彼は4世紀の終わりから5世紀初めに活躍し、力強い説教で人々を励ましたことで「黄金の口」と称えられました。
社会の乱れを正そうと勇敢に語った彼の生涯は、今も多くの人の心を照らしています。
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ヨハネはシリアのアンチオキアに生まれました。若いころは有名な学者リバニオスのもとで修辞学を学び、同時にギリシャ哲学や神学を深めました。
学問の道を歩んでいましたが、やがて世の名誉よりも神に仕える人生を選び、修道生活を志して隠遁生活に入りました。
386年に司祭に叙階されたヨハネは、町の人々に向かってわかりやすく、そして情熱的に説教を始めました。
その言葉は多くの人の心を揺さぶり、「黄金の口」という意味をもつ「クリゾストモ」の名が与えられました。
398年にはコンスタンチノープルの総大司教に選ばれ、貧しい人々への奉仕や社会の乱れを正すための改革に取り組みました。
ヨハネの厳しい道徳的態度は、時に権力者や教会内部からの反発を招きました。
403年の司教会議で不当な決定を受け、小アジアの地に追放されてしまいます。それでも彼は信仰を失わず、多くの手紙や著作を残しました。
407年、追放先で亡くなりますが、後にその功績は高く評価され、教会博士としてたたえられています。
「死は安息であり、労働と世間の悩みからの解放です。あなたの家族の1人が亡くなっても絶望してはいけません」
この言葉は、死を終わりではなく「神のもとでの休み」としてとらえるヨハネの信仰を示しています。
苦しみの多い時代にあっても、希望を失わないようにと語ったメッセージは、悲しみの中にいる私たちにも、優しく力を与えてくれるのではないでしょうか。
ヨハネが特に大切にしたのは「言葉の力」と「正しい生活」でした。
彼は、神の愛の恵み(恩寵)を人々に伝えるため、誰にでも理解できる言葉を選びました。また、貧しい人を助け、社会の不正に向き合うことを信仰の実践と考えました。
現代の私たちも、誠実な言葉と行動で、身近な人を励ますことができるのではないでしょうか。
ヨハネの足跡をたどるなら、シリアのアンチオキアやトルコの地で彼の名が記される教会が見られます。
彼の説教や手紙は今も書籍として読むことができ、キリスト教の古典として世界中で愛されています。
また、「黄金の口」というあだ名は、多くの聖画やモザイク画にも刻まれ、柔和な顔立ちで描かれることが多いです。
聖ヨハネ・クリゾストモは、言葉を通して人々を希望に導いた偉大な司教でした。
厳しい時代にあっても、真実を語り、愛をもって人々を支えた彼の姿は、今も生き生きと語りかけてきます。
私たちも、日常の中で優しい言葉を選び、正しいことを恐れずに伝える勇気を持てるのではないでしょうか。