11月21日は、カトリック教会で「聖母マリアの奉献」を記念する日です。
この日は、幼い聖母マリアが神殿にささげられたという古い伝承を思い起こし、彼女が神にゆだねた生涯を静かに味わう日です。
マリアの「はい」という信頼の姿勢は、今日の私たちにも優しく語りかけてくれます。
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「聖母マリアの奉献」は、古いキリスト教の伝承に基づいた祝日です。
伝承によれば、幼いマリアは両親(聖アンナと聖ヨアキム)によって、神に仕えるためエルサレム神殿にささげられたといわれています。
聖書には、神殿に住んで祈りや奉仕をする女性たちの存在が記されており(参照 1サムエル2.22/出エジプト38.8)、
この伝承を理解する上で重要な背景となっています。
マリアが神殿でどんな生活を送ったかは詳しく残っていませんが、後の人生で示した深い信頼と祈りの姿勢は、幼い頃から神に心を向けていたことを感じさせてくれます。
この祝日の始まりは、543年11月21日にエルサレム神殿の近くに建てられた「聖マリア・ノーヴァ」教会の献堂式 にあります。この献堂の日付がそのまま記念日となり、後に全教会へ広がっていきました。
東西で呼び名は違いますが、どちらもマリアが神にささげられた出来事を静かにたたえる日であることに変わりはありません。
この祝日の中心テーマを象徴するのが、受胎告知の場面でのマリアの有名な言葉です。
「わたしは、主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」(ルカ1.38)
この言葉こそ、「奉献」の心そのものです。
幼いころに神へ捧げられたという伝承と、成長後に自ら「はい」と応えたこの言葉は、ひとつの線で結ばれています。
マリアは、人生の大きな出来事も、静かな日々もすべて神に委ね、信頼して歩みました。その姿は、私たちが不安や迷いを抱くときの励ましとなってくれます。
聖母マリアの奉献をとおして教会が大切にしてきたテーマは、次の3つです。
1. 神への信頼
マリアの「はい」は、恐れながらも信じて歩む勇気のしるしです。
2. 自由な応答
神は強制せず、私たちが自分の意志で「はい」と言うのを待たれます。
3. 祈りの姿勢
神殿にささげられたという伝承は、祈りの生活と心の静けさを象徴します。
忙しさの中でも少しだけ心をひらき、神にゆだねる時間を持つこと——それが、この祝日が今の私たちに語るメッセージです。
聖母マリアの奉献は、幼いころに神へささげられたという伝承をとおして、「神への信頼と祈りの心」 を思い起こさせてくれる日です。
「お言葉どおり、この身に成りますように。」(ルカ1.38)
この静かな言葉は、私たちが迷いや不安を抱える日々の中でも、そっと光を投げかけてくれます。
11月21日という特別な日に、マリアのように心をひらき、小さな一歩を神にゆだねる気持ちを思い起こしたいものです。