1月11日は、カトリック教会で「聖テオドシオ修道者」を記念する日です。
聖テオドシオは、静かな祈りの生活だけでなく、人びとと共に生き、助け合う修道生活を形にした人物です。
砂漠の洞窟から始まったその歩みは、多くの人の心を支える大きな共同体へと広がっていきました。
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テオドシオは、信仰深い両親のもとで育ち、若いころから神に心を向けて生きていました。
成人後、エルサレムへの巡礼に出たことが、人生の大きな転機となります。そこで出会ったのが、徳の高い修道者ロンギノです。
彼の導きを受け、祈りと節制の生活に本格的に入る決意を固めました。
やがてテオドシオは、エルサレム近郊の教会で主任司祭を務めるようになります。
その誠実な姿勢と説教は評判を呼び、多くの人が彼を慕って集まりました。しかし、名声を避けたいと考えた彼は、ユダの山地に退き、洞窟での隠修生活を始めます。
ところが、その静かな生活にも若者たちが集まり、自然と修道共同体が生まれました。この共同体は、複数人で祈りと生活を共にする「共住修道制」と呼ばれる形をとり、国や言葉の違う修道士たちも受け入れました。
修道院には、旅人のための宿舎や病人を世話する施設も設けられ、祈りと奉仕が一体となった生活が実践されました。
493年、テオドシオはパレスチナ地方の共住修道会全体を導く長に選ばれ、修道生活の模範として大きな影響を与えました。
当時、キリストは神のみであると強調する単性論という考えが広まり、皇帝もこれを支持していました。
テオドシオは、正統な信仰を守るため各地で説教を行い、その結果、国外追放という厳しい処分を受けます。
皇帝の死後、修道院に戻ることができましたが、ほどなく病に倒れ、529年ごろに静かに息を引き取りました。遺体は、彼が祈りを捧げた洞窟に葬られました。
信頼できる資料に残るテオドシオの姿勢は、「祈りと労働、そして隣人への愛を切り離さない」という生き方に集約されます。
彼は修道士たちに、祈るだけでなく、困っている人を助けることの大切さを教えました。この姿勢が、多くの人に安心と希望を与えたのです。
聖テオドシオが大切にしたテーマは、共同体、祈り、奉仕です。
信仰は一人で抱え込むものではなく、共に生き、支え合う中で深まるという考え方は、現代の教会や信徒の生活にも生きています。
教会の活動やボランティアの原点を見る思いがします。
彼が創設した修道院の跡は、現在のイスラエル・パレスチナ地域に残り、今も巡礼地となっています。
また、東方教会のイコンや聖人画では、修道士の衣をまとい、長いひげをたたえた姿で描かれることが多く、祈りの人としての印象を伝えています。
聖テオドシオ修道者の生涯は、静かな祈りと、具体的な助け合いが一つであることを教えてくれます。
名声や権力を求めず、信仰に忠実であろうとした姿は、忙しい現代社会に生きる私たちにも大切なヒントを与えてくれます。
今日という一日、身近な人のために小さな奉仕をしてみること、それが聖テオドシオからの静かな招きなのかもしれません。