
12月5日は、カトリック教会で「聖サバス修道院長」を記念する日です。
サバスは、5〜6世紀のパレスチナの荒野で祈りと隠遁生活を生きた修道者です。
若いころから神を強く求め、やがてエウティミオという有名な隠遁者の弟子となりました。のちに彼は修道院を創り、パレスチナ中の隠修士の指導者として尊敬されました。
その生涯は「神を求める心が人生を形づくる」ことを静かに語りかけてくれます。
Contents
聖サバス|プロフィール
- 名前
サバス(Sabas/Sava) - 生没年
438〜532年 - 出身地・時代背景
カパドキア地方(現在のトルコ)。キリスト教修道生活が広まり、隠遁生活が盛んだった時代。 - 肩書き・役職
修道院長、隠修士の長上、マール・サバ修道院創立者
聖サバスの生涯
青年期からの転機|荒野の隠遁者に憧れて
サバスはカパドキアで生まれましたが、幼いころから修道生活に惹かれ、修道院に身を寄せて祈りを学びました。当時の理想的な修道生活は「隠遁生活」、つまり荒野に一人でこもって祈るスタイルでした。
18歳のとき、サバスはパレスチナで名高い隠遁者エウティミオの評判を聞き、彼の弟子になろうと荒野まで赴きます。しかし、エウティミオは「まだ若すぎる」として、サバスに「30歳になったら来なさい」と言いました。
失望するどころか、サバスは心を整えるため、聖テオクティトスの修道院で修練を積む道を選びます。祈り、労働、沈黙、謙遜――これらを徹底的に身につける日々でした。
そして30歳になると、約束どおりエウティミオのもとを訪れ、本格的に荒野での生活が始まりました。
信仰と活動の展開|荒野と共同生活のバランス
エウティミオのもとでの生活は、サバスが想像したような「完全な隠遁」ではありませんでした。
エウティミオは彼に、「祈りだけではなく、共同体の中で人を助けることも修道者の道である」と教えました。
そのためサバスは、週のうち五日間は洞くつで祈りに集中し、週末には修道院に戻って共同体に仕えるという、特別な生活スタイルを送りました。
やがてエウティミオが亡くなると、サバスは4年間、本格的な孤独生活を続けます。荒野の厳しさの中で、彼の祈りはさらに深まっていきました。
成熟期と指導者としての使命|マール・サバ修道院の創立
孤独の中にいながらも、サバスの評判は徐々に広まり、多くの隠修士たちが彼を慕って集まるようになります。そこでサバスは「ラウラ」という形式の修道院を創立しました。
ラウラとは、各自が洞くつで生活しながら、時々集まって祈り合う共同体のことです。
このスタイルは、隠遁生活と共同体生活の良い部分をうまく融合させたもので、パレスチナの修道者たちに広く受け入れられました。
サバスはついに、パレスチナのすべての隠修士の長上に任ぜられました。エルサレムの総主教も彼を高く評価し、重要な教会問題が起こるたびにサバスへ相談していたと伝えられています。
彼が創立した最大の修道院――マール・サバ修道院は、今でもエルサレム近郊に存在し、正教会の修道士たちが暮らしを続けています。
聖サバスの名言・エピソードから学ぶ
「神は、荒野の静けさの中で魂に語りかける。」
(彼の祈りの姿勢を伝える伝承より)
サバスの生き方そのものが、この言葉の意味を表しています。
忙しさや騒がしさを離れ、静けさの中で神の声に耳を傾ける――それは今の私たちにも大切な時間です。
カトリック的ポイント解説
サバスの霊性の中心は「沈黙・祈り・謙遜」でした。
彼が築いたラウラのスタイルは、祈りの深さを求める修道者にとって理想的な環境であり、東方教会の修道伝統に大きな影響を与えました。
現代の信者にとっても、日常の中でわずかな「沈黙の時間」を持つことで、自分の心を整える助けになります。
聖サバス|ゆかりの地・書籍・芸術
- マール・サバ修道院(エルサレム近郊)
切り立った崖の上に建つ壮大な修道院で、今も修道士が生活する歴史的な場所。 - サバスの生涯は、東方教会の修道史の中で重要な位置を占め、多くの伝記が残っている。
- 彼を描いたイコンも中東やギリシャ正教会で広く見られる。
まとめ|今日の聖人から学べること
聖サバスは、若いころに荒野の修道生活を求め、長い修練を経て多くの隠修士たちの指導者として働きました。
跳ね返された時にもへこたれず、自分を整える時間を大切にし、祈りと謙遜の道を歩み続けた人です。
彼の生き方は、静けさの中で心を見つめ直すことの大切さ、そして神への信頼が人生を方向づける力となることを教えてくれます。
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