
今日、8月3日にカトリック教会で記念されるのは「聖リディア」です。
彼女は、新約聖書の『使徒言行録』に登場する女性信者で、聖パウロがヨーロッパで最初に出会ったキリスト信者として知られています。
紫布(高級な布)を商う成功した女性実業家だったリディアさん。けれど、そんな彼女が人生を変えるほどの出会いをしたのが、キリストの教えでした。
裕福なだけでなく、心をひらいて信仰に応え、人々に仕えることを選んだリディアさんの姿は、今を生きる私たちにも大切な示唆を与えてくれます。
Contents
聖リディア|プロフィール
- 名前
聖リディア(St. Lydia)またはリディア・ピリピーナ - 生没年
1世紀 - 出身地・時代背景
小アジア(現代のトルコ)・ティアティラ出身、ローマ帝国の時代 - 肩書き
商人・信者・家庭教会の協力者
聖リディアの生涯
リディアは、当時「紫布」と呼ばれた高級織物の商人でした。紫は古代世界において王族や貴族が身にまとう色で、その布を扱うということは、非常に裕福で影響力のある職業だったことがわかります。
彼女が暮らしていたのは、ローマ帝国支配下の都市フィリピ(現在のギリシャ北部)。当時、この地域にはまだユダヤ人のシナゴーグ(礼拝所)が建てられるほどの人がいなかったため、信仰者たちは川辺に集まって祈っていたようです。
ある日、そこに旅をしていた聖パウロが現れます。彼の説教を聞いたとき、リディアの心は神さまに開かれ、彼女は「キリストを信じます」と告白しました。
この時の様子は、新約聖書の『使徒言行録16章14〜15節』に書かれています。
「ティアティラ市の紫布の商人で、神を敬うリディアという女が話を聞いていた。主が彼女の心を開かれたので、パウロの語る言葉に心を留めた。彼女と家族の者が洗礼を受けた後、彼女は私たちに言った。『私を主に忠実な者とお思いでしたら、どうか家に来てお泊まりください』と。」
この出来事は、ヨーロッパで初めての「信仰告白と洗礼」とされています。彼女はすぐに自分の家を開き、聖パウロたちを迎え、家庭を小さな教会のようにしていったのです。
聖リディアの「名言・行動」に学ぶ
リディアの印象的な言葉といえば、洗礼を受けた直後の「私を主に忠実な者とお思いでしたら、どうか家に来てお泊まりください。」という一言です。
これはただの「おもてなし」ではありません。自分の生活の場を、信仰の共同体の場としてささげる決意の表れでした。商人として忙しくもあったでしょうが、彼女は「信仰を生きる」ことを最優先にしたのです。
現代の私たちも、仕事や家庭に追われる日々の中で、こうした「信仰の実践」を思い出すことができるのではないでしょうか。特別なことはできなくても、誰かを受け入れること、耳を傾けること、その一歩が大切です。
カトリック的ポイント解説|信仰・神学・祈りとの関係
リディアが示したのは、「信仰と行動がひとつになる」生き方です。
カトリックでは、「信仰」とは単なる知識や気持ちではなく、日々の行動として現れるものだとされています。リディアは、心で神さまを信じただけでなく、その信仰を具体的にあらわしました。家を開き、人をもてなし、教会を支えたのです。
また、リディアの「神に心を開いた」姿勢は、「恩寵(おんちょう)」——つまり、神さまからの愛の恵み——が人の心に働くひとつの姿でもあります。自分の力だけではなく、神さまの導きに素直になることが、信仰生活の第一歩なのです。
リディアのように、信仰を通して家庭や仕事の場にも「神の国の種」をまいていくこと。それこそが、現代カトリックの目指す「使徒的な生活(=日常の中での宣教)」でもあります。
聖リディア|ゆかりの地・書籍・芸術作品
ゆかりの地
ギリシャのフィリピには、「リディアの洗礼所(Baptistery of Lydia)」と呼ばれる美しい礼拝堂があります。巡礼地としても人気で、川辺の洗礼場所も保存されています。
彼女の故郷ティアティラは、黙示録にも登場するアジアの古都。こちらも信仰の歴史を伝える土地です。
書籍
聖書の『使徒言行録』16章に登場します。
リディアに関する伝記や絵本も、英語圏では多く出版されています(例:"Lydia: Seller of Purple" など)。
芸術作品
西洋絵画には、リディアが洗礼を受けるシーンや、パウロを迎え入れる場面がよく描かれています。ルネサンス以降の作品にも多数見られます。
まとめ|今日の聖人から何を学ぶ?
聖リディアの姿から、私たちは「信仰を生活の中で実らせる」大切さを学ぶことができます。
家庭を開き、仲間を迎え、神さまの働きのために自分をささげる——その姿は、現代の私たちにも通じる美しい証し(あかし)です。
今日、少しだけでも心を開いて、誰かの声に耳を傾けてみませんか?
明日はまた、新しい聖人の物語とともに、日々の信仰を見つめ直してまいりましょう。
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