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聖アルフォンソ・リゴリ

カトリック教会では、8月1日を「聖アルフォンソ・リゴリの祝日」と定めています。彼は「良心の神学者」として知られる聖人です。

彼は、もともとは有能な法律家として名を馳せていましたが、ある挫折をきっかけにすべてを捨て、信仰の道へと歩み出しました。そしてやがて、修道会を立ち上げ、多くの人々の心に寄り添う神学を打ち立てていきました。

法と正義の世界から、あわれみと赦しの神へ――その人生は、まさに神の導きと応答の物語です。

今日は、聖アルフォンソ・リゴリの信仰と知恵に満ちた歩みを、いっしょにたどってみましょう。

聖アルフォンソ・リゴリ|プロフィール

  • 名前
    聖アルフォンソ・マリア・デ・リゴリ(Alphonsus Maria de Liguori)
  • 生没年
    1696年〜1787年
  • 出身地
    イタリア・ナポリ近郊の貴族の家系
  • 肩書き
    司祭、修道会創立者(贖い主会)、道徳神学者、カトリック教会博士

聖アルフォンソは、当時のイタリアで名門とされる家庭に生まれ、非常に優秀な青年でした。法律の学びではとくに頭角を現し、なんと16歳で法学博士号を取得し、20代前半には弁護士として活躍していました。

聖アルフォンソ・リゴリの生涯

若き日の挫折と回心

アルフォンソの人生は、ある法廷での出来事によって大きく変わります。

彼が担当したある裁判で、最後の最後になって、見落としていた小さな証拠によって判決が逆転してしまったのです。深く誇りを傷つけられた彼は、自らの人生の意味を問い直し、弁護士としての道を捨てる決意をしました。

「この世の名誉は、砂の上に建てた家にすぎない」
そう語ったと伝えられています。

信仰と奉仕の人生へ

弁護士を辞めたアルフォンソは、祈りと霊的探求の日々を経て、司祭となります。

彼は特に、貧しい人々、無学な人々、見捨てられがちな人々への宣教に力を注ぎました。その中で感じたのは、「律法を守れない者は滅びる」ではなく、「神のあわれみによってすべての人が救われうる」というメッセージでした。

そして1732年、彼は「贖い主のいと聖なる会(贖い主会)」を創立します。これは、神のあわれみを説き、良心に従って生きる人を助けるための宣教会で、今も世界各地で活動を続けています。

晩年と教会博士としての評価

アルフォンソは司教にも任命され、多くの困難に耐えながら、教区の改革や信仰教育に尽力しました。

晩年には体が衰え、病気に苦しみながらも、著作活動を続けました。彼の書いた『道徳神学大全』は、カトリックの倫理観に大きな影響を与え、現在も重要な教科書のひとつです。

1787年、アルフォンソは静かに天に召されました。その後、教皇ピウス9世によって列聖され、さらに1871年には「教会博士(ドクター・オブ・ザ・チャーチ)」の称号が与えられました。

聖アルフォンソ・リゴリの「名言」に学ぶ

聖アルフォンソは、多くの言葉を残しています。その中でもとくに心に残るのが、次のような言葉です。

良心の声に忠実であれ。神はあなたの内なるささやきの中におられる。

この言葉は、私たちが人生の中で何かに迷ったとき、耳を傾けるべき“神の声”が、自分の中にも確かにあるのだという希望を与えてくれます。

彼は単に「規則を守りなさい」と教えたのではありません。むしろ、「あわれみに満ちた神と向き合う心の姿勢こそが大切だ」と教えてくれたのです。

聖アルフォンソ・リゴリの神学の特徴

アルフォンソの神学の特徴は、「良心」と「神のあわれみ」を中心に置いていたことです。

当時の教会では、非常に厳格な規律が重んじられていました。「これを守らないと罪になる」「救われない」といった考え方が一般的だったのです。しかし、アルフォンソは人々の苦しみや弱さに心を向け、「人は努力しても失敗する存在」であることを認めました。

彼が重視したのは、「恩寵(おんちょう)=神の愛の恵み」です。神は、私たちが悔い改めて立ち返ろうとするその気持ちを、何よりも大切にされる――それが、彼の神学の根本でした。

そのため、彼の教えは「優しすぎる」と批判されることもありましたが、同時に多くの人の信仰を支え続けてきました。

聖アルフォンソ・リゴリ|ゆかりの地・書籍

アルフォンソにゆかりのある場所としては、イタリア・スカラにある彼の修道院や、パガーニという町にある聖堂などが挙げられます。そこには、彼の遺品や肖像画、書簡などが残されており、多くの巡礼者が訪れます。

また、彼の主著である『道徳神学大全』『キリストの受難の黙想』などは、現代語訳も出ており、今なお読み継がれています。

映画やドラマ化はされていないものの、YouTubeなどでは修道会が制作した彼のドキュメンタリー動画なども公開されており、視覚的に彼の生涯をたどることができます。

まとめ|今日の聖人から何を学ぶ?

聖アルフォンソ・リゴリの生涯は、外からのルールよりも「内なる声=良心」に耳を傾けることの大切さを教えてくれます。

どんなに失敗しても、どんなに小さな者でも、神は決して見捨てません。神の愛は、いつも立ち返る私たちを待ち続けているのです。

今日、少しでも自分の良心と向き合ってみませんか?
聖アルフォンソのように、あわれみと誠実さの中に生きる一日となりますように。