神の軍団はルシファーの新兵器によって壊滅的な打撃を受けましたが、反撃に出て山を引き抜いて投げつけました。新兵器と一緒に潰されたルシファーの軍団も、同じ手法で反撃しました。
戦いがこのまま続けば、天が荒廃してしまいますが、この戦いは全て神の深慮によるものでした。
神の軍団、ルシファーの新兵器に反撃する！
全能の神の軍団は、しばらくの間、困惑した表情を浮かべてただ立ち尽くしていました。しかし、その状況もほんの一瞬で、すぐに激しい怒りが心にわき起こり、ルシファー軍の新兵器に対抗する手段があることに気づいたのです。
彼らは武器を手放すと、山の方へ素早く飛んで行き、大地に根をおろしていた山ごと岩や滝や森ごと引き抜き、両手で高々と持ち上げたのです。
この時、ルシファーの軍勢は驚きと恐怖に襲われました。
山の底部を空に向けたまま、山々が自分たちめがけて凄まじい勢いで飛んできます。その山々の群れが、たちまち新兵器の三列の砲身を押し潰しはじめました。
形勢は逆転し、今度は彼ら自身が攻撃される羽目に陥ったのです。空中高く飛んでくる山のために、全軍は武装したまま圧倒されました。身に着けていた鎧は潰され、へこみ、体に深く食い込みます。
互いに烈しい勢いで山々を投げ合う地獄！
彼らは情け容赦のない苦痛に悲痛な呻き声をあげ、長い間もがき苦しみました。本来は清らかな光の天使でありながら、こういう目に遭うのは初めてのことでした。
無傷の連中は神の軍団を見習って、近くにあった山を次々と根こそぎ引き抜きました。こうして、互いに烈しい勢いで投げ合う山々が空中で激しくぶつかり合う様子は、まさに暗黒の中で戦っているようなものでした。
轟々たるその音は、まるで地獄そのものだ！ これまでの戦いは、まるで穏やかな競技であったかのように思われるほどだった。
混乱が続きました。もし戦いがこのまま続けば、惨状は広がり続け、天は完全に荒廃してしまうかもしれません。
しかし、そうならなかったのは、天の聖域において祀られ、安らかに座っておられた全能の父なる神の深い思い遣りのおかげです。
神はこの混乱を予見し、事態の推移を見据え、結果として起こるすべてを黙認していました。
全能の父なる独り子への深慮とは？
これは、神の大いなる目的を果たし、聖なる独り子が敵に復讐した後、その栄光を称えることを目的としています。つまり、独り子にすべての権力が委ねられたことを広く宣言したいという神の考えからです。
そこで、同じ王座にいた独り子に向かって、神は次のように言いました。
「汝、わが愛する子よ。わが栄光を示す者よ。見えざるものを見えるものとして示し、わたしが定めた行為を行う者よ。第二の全能者よ！
ミカエルとその軍勢が叛逆者を鎮圧して以来、実に２日が経過した。このような軍勢が敵味方に分かれ、武器を使って争うとき、戦いが激しくなるのは当然です。
私は勝敗を彼ら自身に委ねた。彼らは共に等しく創造されている。ただし、片方は罪を犯して力が衰えています。しかし、私が彼らの裁きを遅らせているため、そのことはまだ表面化していません。
そのため、両軍は永遠に戦い続け、決着がつかないでしょう。
彼らは疲れ果てながらも戦い、ありとあらゆる手段を尽くしています。山すら戦いの道具にし、怒り狂っています。このままでは、天に災いが及ぶだけでなく、天そのものが荒廃してしまうでしょう。そこで......」
神は独り子に宣言しました。「既に二日が経過した。だから、第三日目はお前に委ねる。
