8月15日は、カトリック教会でとても大切な日です。
それは「聖母マリアの被昇天」と呼ばれ、マリアが地上での生涯を終えたとき、魂と体の両方が天に上げられたと信じられている出来事を記念します。
日本ではあまり知られていませんが、西ヨーロッパや南米などカトリック信者が多い国では、この日は祝日として国中でお祝いされることもあります。
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カトリック教会では、マリアはイエス・キリストのお母さんとして特別な役割を持っていたと考えられています。
マリアは生まれたときから罪がなく(「無原罪の御宿り」といいます)、一生を通じて神に従いました。
そのため、マリアが亡くなった後、普通の人のように体が地面で朽ちることはなく、魂と体の両方が天に上げられたと信じられています。
この信仰は古くから伝えられてきましたが、1950年に教皇ピオ12世によって正式な教え(教義)として宣言されました。
日本の「成人の日」は20歳になったことをお祝いする日です。
もちろん、8月15日の「聖母マリアの被昇天」は直接的に成人の日という意味ではありません。
ですが、カトリックの中では、この日を「霊的な成人」になぞらえる考え方があります。
なぜなら、マリアが天に上げられた出来事は、人間が信仰においてたどり着く完成の姿を示しているからです。
つまり、人生の最終的な「成長のゴール」を迎えた日ともいえるのです。
8月15日は「フェッラゴスト」と呼ばれ、夏の最大の祝日です。
もともとは古代ローマの休暇制度が元になっていますが、今は聖母被昇天と結びついています。
この日は多くの人がバカンスに出かけ、町では花火やパレードも行われます。シエナでは「パーリオ」という有名な競馬祭が開催されます。
フランスでは17世紀から国としてこの日を大切にしてきました。
特に南フランスのルルドでは世界中から巡礼者が集まり、夜にはろうそく行列が行われます。
パリや地方の町でも花火や祭りが開かれます。
スペインでは全国で何百もの祭りが行われます。
バレンシア地方のエルチェでは、「神秘劇」と呼ばれる大きな劇が上演され、マリアの被昇天の場面が再現されます。
南ドイツやオーストリアでは、「薬草の祝別」という習慣があります。
マリアの墓から花やハーブが見つかったという伝説にちなんで、束ねた薬草を教会で祝福してもらい、家のお守りにします。
ポーランドではこの日が国民の祝日です。
多くの人が有名なヤスナ・グラ修道院を目指して巡礼します。
ここでも薬草や穀物を束ねた「ハーブの聖母」の習慣があります。
聖母マリアの被昇天は、単にマリアをたたえるだけの日ではありません。
マリアの姿は「人間が最終的に神のもとで完成される」という希望のしるしとされています。
カトリックでは、私たちも死後に復活して神と共に生きることを信じています。
マリアはその最初の例として、信者たちに勇気を与えてくれる存在です。
8月15日の聖母マリアの被昇天は、世界中で祝われる大切な日です。
マリアが人生を終えた後、魂と体の両方が天に上げられたという出来事は、信仰における完成と希望を表しています。
そして、西ヨーロッパ各国ではこの日を祝うために、祭りや行列、特別なミサ、薬草の祝福などが行われています。
宗教的な意味を知らなくても、この日は「人生の完成」や「希望」を考えるきっかけになります。