11月9日は、カトリック教会で「ラテラン大聖堂の献堂」を記念する日です。
この日は、ある聖人の命日ではなく、「教会そのもの」を祝う特別な日。
世界中の教会の始まりであり、「母なる教会」と呼ばれるラテラン大聖堂が神にささげられたことを記念します。
それは、言いかえれば「信仰共同体の誕生日」を祝うような日なのです。
ラテラン大聖堂(Basilica di San Giovanni in Laterano)は、ローマ皇帝コンスタンティヌスが4世紀のはじめに建てた、世界で最初のキリスト教の大聖堂です。
キリスト教がまだ迫害を受けていた時代を終え、公に祈りがささげられるようになった最初の教会——それがラテラン大聖堂でした。
この大聖堂は、ローマ司教である教皇の正式な司教座(カテドラ)が置かれており、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂よりも古い歴史をもちます。
そのため、ラテラン大聖堂には「全世界のすべての聖堂の母および頭(Omnium Ecclesiarum Mater et Caput)」という称号が与えられています。
「母なる教会」とは、少し詩的な言葉ですが、意味はとてもわかりやすいです。ラテラン大聖堂は、世界中にあるすべての教会の“原点”だからです。
この教会から、祈りと信仰の形が広がり、さまざまな町や国に教会が建てられていきました。つまり、ラテラン大聖堂は「教会という大きな家族の“お母さん”」のような存在なのです。
母が子どもたちを育てるように、ラテラン大聖堂は長い歴史の中で信仰を育み、守り、導いてきました。だからこそ、この教会を「すべての教会の母」と呼び、世界中の信者が大切にしているのです。
ラテラン大聖堂は、長い歴史のなかで何度も火災や地震に見舞われました。特に14世紀の大火では内部が大きく損傷しましたが、信者たちは再び立ち上がり、再建を果たしました。
現在の姿は17世紀に再建されたもので、当時の一部の構造も残されています。この「壊れても再び立つ」歴史そのものが、信仰の強さと教会の希望を象徴しています。
カトリック教会では、教会が神にささげられた「献堂の日」を毎年記念する伝統があります。それは、石の建物だけでなく、そこに集う信者共同体そのものを神にささげるという意味を持っています。
ラテラン大聖堂の献堂を祝う日は、私たち一人ひとりが「神の家の一部」であることを思い出す日でもあります。つまり、「教会とは建物ではなく、信じる人々のつながりそのもの」なのです。
【補足】
11月9日の「ラテラン大聖堂の献堂」は、世界中の教会の原点を祝う日です。
この大聖堂は、皇帝コンスタンティヌスの時代に始まり、何度も再建されながらも信仰の灯を守り続けてきました。
「母なる教会」という呼び名には、すべての教会、そして信者がひとつの家族としてつながっているという希望が込められています。
この日、私たちは自分の心の中にも“神の住まい”を築けるように、静かに祈りをささげるのです。