Categories: 聖人の日

今日の聖人は聖スタニスラス・コストカ|17歳で天国に招かれたイエズス会の少年[11月13日]

11月13日は、カトリック教会で「聖スタニスラス・コストカ」を記念する日です。

ポーランドの名家に生まれながらも、地位や財産ではなく神への愛を選び、わずか17年の短い人生を祈りと献身で生き抜きました。

その純粋な信仰は今も多くの若者たちに希望を与えています。

聖スタニスラス・コストカ|プロフィール

  • 名前
    聖スタニスラス・コストカ/Saint Stanislaus Kostka
  • 生没年
    1550年〜1568年
  • 出身地・時代背景
    ポーランド王国マゾフシェ地方のロストコフ城生まれ。宗教改革と対抗宗教改革の波が広がる16世紀のヨーロッパ。
  • 肩書き・役職
    イエズス会修練士(修道士見習い)

聖スタニスラス・コストカの生涯

青年期からの転機

スタニスラスは1550年、ポーランドのロストコフ城主の家に生まれました。信仰心の厚い家庭で育ち、幼いころから祈りを大切にしていたと伝えられます。

1564年、兄ポールとともにウィーンのイエズス会寄宿学校に入学します。しかし、皇帝によって学校が一時閉鎖され、彼らはプロテスタントの家に下宿することになりました。

兄は信仰から離れ、敬虔な弟をからかい、時に乱暴に扱いましたが、スタニスラスは黙って耐え、祈りの生活を続けました。

信仰と奇跡の体験

病に倒れたスタニスラスは、聖体を受けたいと願いましたが、宿主は司祭を家に入れることを許しませんでした。

絶望の中で祈りをささげると、聖バルバラと天使たちが現れて彼に聖体を授けたと伝えられます。この奇跡ののち、彼の病は癒え、神への感謝に満ちて修道生活への志をさらに強めました。

聖バルバラ】
3世紀の殉教聖人で、突然の死や危険から守る守護聖人として知られています。鉱山労働者や兵士、そして死に臨む人のために祈られることが多い聖女です。

イエズス会入会への道

スタニスラスは、癒やしの体験を経てイエズス会に入りたいと願いますが、父親は猛反対しました。家の名誉と権力を重んじる父にとって、息子が修道士になることは到底受け入れられなかったのです。

しかし彼は信仰の道を貫くため、夜のうちにウィーンを出発し、徒歩でドイツの聖カニシウス司祭を訪ねました。約500kmもの旅を経てたどり着いた彼に、カニシウスはその覚悟の強さを感じ取り、ローマへ行くように勧めます。

ローマでの修練生活と死

ローマでは、イエズス会の総長に迎えられ、ようやく入会が許されました。彼は修練士として祈りと学びに励み、すべてを神に捧げる日々を過ごしました。

しかし入会から9ヶ月後、スタニスラスは体調を崩し、死期を悟ります。彼は静かに言いました。
「聖母の被昇天の祝日には、天でお祝いしたいのです。」

その言葉どおり、1568年8月15日の早朝、「聖母が迎えに来られました」と言い残して息を引き取りました。まだ17歳でした。

聖スタニスラス・コストカの名言・エピソードから学ぶ

彼のもっとも有名な言葉は、「聖母が迎えに来られました。」という最期のひと言です。

この言葉には、死への恐れではなく、むしろ天国への喜びと、神の母マリアへの信頼が込められています。

イエズス会の仲間たちは、彼の亡骸を見て「まるで眠っているようだった」と記しています。彼の死は“恐れではなく希望の死”として語り継がれています。

カトリック的ポイント解説

純粋な信仰とマリアへの信頼
スタニスラスの生涯は、教会が大切にする“純粋な信仰”の象徴です。どんな境遇でも神を信じ、祈り続ける心。特にマリアへの深い信頼は、イエズス会の祈りの精神とも重なります。

現代の信仰生活へのメッセージ
信仰や正義を笑われたり、孤立したりする場面で、スタニスラスのように「静かな勇気」を持ち続けること。彼のように、誰に理解されなくても祈りをやめない姿勢は、現代の私たちにも強い励ましを与えます。

聖スタニスラス・コストカ|ゆかりの地・書籍・芸術

  • ・ゆかりの地
    ポーランド・ロストコフ(生誕地)、ローマ(終焉の地・聖アンドレア修道院)
  • 遺体安置
    ローマのサンタンドレア・アル・クイリナーレ教会に眠る
  • 芸術作品
    カノーヴァ作「聖スタニスラス・コストカ像」(ローマ、18世紀)や、ルーベンスによる彼の死を描いた作品などが有名です。

まとめ|今日の聖人から学べること

聖スタニスラス・コストカは、若くして神の愛に身を委ねた少年でした。

家族や周囲からの反対や嘲笑に耐えながらも、信仰を貫いたその姿は、どんな時代にも通じる「心の強さ」を教えてくれます。

彼の最期の言葉「聖母が迎えに来られました」は、信じる者が死を恐れず、希望をもって神に向かうことを示しています。

清らかな信仰と祈りの力――それが、現代を生きる私たちへの静かなメッセージです。

art-who