※二本の鍵は、金の鍵(天)と銀の鍵(地)を表し、
教会に託された霊的権威を象徴しています。
2月22日は、カトリック教会で「聖ペトロの使徒座」を記念する日です。
名前を見ると「聖ペトロの祝日」と思われがちですが、実は少し意味が違います。
この日は人物そのものよりも、ペトロに託された使命を祝う日なのです。
その違いを、順番にわかりやすく見ていきましょう。
「使徒座(カテドラ)」とは、司教が座る椅子のことです。
しかしこれは単なる椅子ではありません。司教が「教える立場」にあることを示す象徴です。
日本で言えば、学校の校長先生の席のようなものです。ただし、それ以上に霊的な意味を持っています。
聖ペトロ本人を記念する日は、別にあります。
たとえば6月29日の「聖ペトロ・聖パウロ使徒」は、彼の殉教と働きを祝う日です。
一方で2月22日は、ペトロの人生の出来事を祝う日ではありません。
祝っているのは、彼がローマで司教として教えた「権威」と「使命」です。
イエスはペトロに「あなたは岩である」と語りました。
カトリック教会は、これを教会の土台と理解しています。
4世紀の教父聖アンブロジオは、こう語りました。
「ペトロがいるところに教会がある。教会があるところに、キリストがいる」
この言葉は、ペトロ個人をたたえているのではありません。
ペトロに託された使命と、その使命が教会の中に生き続けていることを示しています。
つまり「使徒座」とは、ペトロの個人的な偉さではなく、教会を導く役目そのものを示しています。
椅子を祝うというのは、そこに座る人の使命が続いていることを祝うという意味なのです。
カトリックでは、ローマ司教(教皇)は聖ペトロの後継者とされています。
そのため「聖ペトロの使徒座」は、現在の教皇職の源を祝う日でもあります。
人物の記念日というより、「教会の一致」を祝う日と言えるでしょう。
2月22日の「聖ペトロの使徒座」は、聖ペトロ本人の誕生や殉教を祝う日ではありません。
彼に与えられた教える使命、そしてその使命が教会の中で今も受け継がれていることを記念する日です。
椅子という象徴を通して、教会の土台と一致を祝う――それがこの日の本当の意味なのです。