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今日の聖人は聖ゼフィリーノ教皇|迫害と論争に耐えた教会の父[8月26日]

ヒッポリトvsゼフィリーノ(イメージ)

8月26日は、カトリック教会で「聖ゼフィリーノ教皇」を記念する日です。

ゼフィリーノは3世紀初めのローマ教会を導いた教皇であり、激しい迫害と内部での神学論争のただ中に立たされました。

彼は学者ではありませんでしたが、助祭カリストの支えを受け、愛と厳しさをもって教会を守り続けました。その姿は、混乱の時代に「平和を保つ力とは何か」を考えさせてくれます。

聖ゼフィリーノ教皇|プロフィール

  • 名前
    聖ゼフィリーノ(Zephyrinus)
  • 生没年
    在位198年〜217年(生年は不明)
  • 出身地・時代背景
    ローマ帝国の時代、セプティミウス・セウェールス皇帝の迫害下
  • 肩書き・役職
    第15代ローマ教皇(ローマ司教)

聖ゼフィリーノの生涯

青年期からの転機

ゼフィリーノの若い頃の記録はほとんど残っていません。しかし、198年に教皇に選ばれた時、ローマはまだ不安定な状況にありました。

セプティミウス・セウェールス皇帝はキリスト教を国家に脅威と見なし、信仰を持つ人々に厳しい処罰を与えていました。

この時代、教会を導くというのは命がけの務めでもありました。ゼフィリーノはその重責を引き受け、信者たちの拠り所となったのです。

信仰と活動の展開

彼の在位中、迫害は特にローマ周辺の地方で激しく行われ、多くの信徒が殉教しました。ゼフィリーノ自身は直接剣や火によって倒れたのではなく、教会内部の争いによって深く心を痛めたと伝えられています。

神学者ヒッポリトは、当時教会の中で広がっていた誤った教えや分裂に対して強く批判していました。ヒッポリトはゼフィリーノに対して「誤った教えを食い止められない」と非難しましたが、ゼフィリーノはむやみに分裂をあおることなく、愛と忍耐で信者を導こうとしました。

また、彼のそばには助祭カリスト(のちの教皇カリストゥス1世)がいました。ゼフィリーノは学問的には深い議論ができる人物ではありませんでしたが、カリストの支えを受け、教会の秩序を守ることに力を尽くしました。ここに、彼のリーダーシップの特徴である「人に委ね、共に歩む姿勢」が見えます。

晩年の病や評価

ゼフィリーノは約19年間、教皇として教会を導きました。殉教したとされるのは、外からの迫害というより、内部の神学論争で受けた心の痛みによるものであったと言われています。

彼の死後、教会は彼を殉教者として記憶し、聖人として敬いました。学者ヒッポリトからの批判はあったものの、ゼフィリーノの柔和さと同時に必要なときは厳しさを持った態度は、後の世代に評価されています。

聖ゼフィリーノの名言・エピソードから学ぶ

ゼフィリーノ自身の言葉として記録に残っている名言は多くありません。しかし、彼の生き方そのものが「信仰は知識の競い合いではなく、愛によって支え合うもの」というメッセージを伝えています。

ヒッポリトに厳しく批判されながらも、ゼフィリーノは分裂を深めるよりも「愛徳=神の愛を人々に示すこと」を優先しました。

この姿勢は、現代の私たちに「意見が違う人とどう向き合うか」という問いを投げかけてくれます。信仰生活だけでなく、日常の人間関係にも通じる知恵ではないでしょうか。

カトリック的ポイント解説

ゼフィリーノの教皇時代に大切にされたテーマは「愛と厳しさの両立」です。

カトリック教会は、神の真理を守ると同時に、迷う人々を見捨てないことを求めます。ゼフィリーノは学者たちの議論には弱かったかもしれませんが、「教会は家族であり、誰も簡単に切り捨ててはいけない」という姿勢を示しました。これは「神のあわれみ=神が人を見捨てずに抱きしめる愛」を表すものです。

現代の信者にとっても、信仰の一致を守るには知識だけでなく、相手を受け入れる心が欠かせません。ゼフィリーノはそのことを、言葉ではなく生き方で教えてくれたのです。

聖ゼフィリーノ|ゆかりの地・書籍・芸術

ゼフィリーノの墓はローマのカリストゥス墓地にあると伝えられています。これは彼を支えた助祭カリストにちなんだ場所であり、ローマの初期キリスト教史を語る重要な巡礼地です。

彼自身の著作は残っていませんが、当時の論争や記録を通じて、その存在感は伝わってきます。

芸術作品としては、他の初期教皇とともに描かれることが多く、聖人列伝や聖画において「教会を守る羊飼い」として表現されることがあります。

まとめ|今日の聖人から学べること

聖ゼフィリーノ教皇は、迫害と論争のただ中で「愛を持ちつつ必要な厳しさを保つ」ことを示した人物でした。

現代を生きる私たちも、意見がぶつかる場面で「相手を切り捨てるのではなく、忍耐と愛をもって向き合う」ことができるのではないでしょうか。

次回も、歴史を通じて今を生きるヒントを与えてくれる聖人の物語をご紹介します。

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