
5月24日は、カトリック教会で「扶助者聖母」を記念する日です。
扶助者聖母とは、ひとりの別の聖人の名前ではなく、聖母マリアの称号です。英語では Mary Help of Christians、つまり「キリスト者の助けであるマリア」と呼ばれます。
信仰生活には、思い通りにいかない時、教会が苦しむ時、家族や社会の中で支えが必要な時があります。そのような時、教会は母であるマリアに助けを願ってきました。
扶助者聖母は、「苦しい時こそ、神へ向かう道をひとりで歩かなくてよい」と教えてくれる記念日です。
Contents
扶助者聖母|プロフィール
- 名前
扶助者聖母/Mary Help of Christians - 記念日
5月24日 - 意味・時代背景
「キリスト者の助けである聖マリア」という意味の称号です。とくに教会が困難に直面した時、信者が聖母マリアの取り次ぎを願って祈ってきた歴史と関わります。 - 肩書き・役職
聖母マリアの称号。サレジオ会では特に大切にされ、ドン・ボスコの霊性とも深く結ばれています。また、5月24日は中国の教会のために祈る日としても知られています。
扶助者聖母の歴史
扶助者聖母への信心は、一つの出来事だけから始まったものではありません。長い教会の歴史の中で、困難の時にマリアの助けを願う祈りとして育ってきました。
その中でも、5月24日という日付と深く結びついた出来事があります。それが、教皇ピウス7世のローマ帰還です。
教皇ピウス7世の帰還と5月24日
19世紀初め、教皇ピウス7世はナポレオンによってローマを追われ、長い間、自由を奪われました。
教皇は苦しい状況の中で、聖母マリアに助けを願いました。そして1814年5月24日、教皇はローマへ戻ることができました。
この出来事への感謝として、扶助者聖母の記念が5月24日に結びつけられました。教会はこの日を通して、神がマリアの取り次ぎを通して信者を支えてくださることを思い起こします。
ここで大切なのは、マリアが神に代わる存在ではない、ということです。マリアはいつも私たちをイエス・キリストへ導く母です。
ドン・ボスコが広めた扶助者聖母への信心
扶助者聖母への信心を広く知らしめた人物として、聖ヨハネ・ボスコ、つまりドン・ボスコがいます。
ドン・ボスコは、貧しい若者や身寄りのない少年たちのために働いた司祭です。彼は自分の働きを、聖母マリアの助けにゆだねました。
イタリアのトリノには、ドン・ボスコが建てた扶助者聖母の大聖堂があります。1868年に献堂されたこの聖堂は、サレジオ会の信仰と教育の働きにとって大切な場所となりました。
ドン・ボスコにとって、マリアは遠い存在ではありませんでした。困難な時に若者を守り、教会の働きを助ける母として、身近に信頼する存在だったのです。
中国の教会のために祈る日として
5月24日は、現代の教会にとっても大切な意味を持っています。
教皇ベネディクト16世は、2007年に中国のカトリック信者へ向けた手紙の中で、5月24日を中国の教会のために祈る日とするよう呼びかけました。
中国では、上海近くの佘山(シェシャン)にある聖母巡礼地で、扶助者聖母への信心が大切にされています。
そのため5月24日は、扶助者聖母を記念すると同時に、困難の中で信仰を守る中国の教会のために祈る日としても覚えられています。
扶助者聖母の有名な祈り・フレーズから学ぶ
扶助者聖母を表すもっとも短く、親しみやすい祈りは、「扶助者聖母、われらのために祈りたまえ」です。
英語では、Mary Help of Christians, pray for us. と祈られます。
この祈りは、マリアに「私を助けてください」とだけ願うものではありません。マリアの取り次ぎを通して、私たちがキリストに近づけるよう願う祈りです。
困難な時、人は不安に飲みこまれやすくなります。けれども、マリアに祈ることは、「神は私たちを見捨てない」という信頼を取り戻す助けになります。
カトリック的ポイント解説
扶助者聖母の中心にあるテーマは、マリアの取り次ぎです。
カトリックでは、マリアを神として礼拝することはありません。礼拝は神だけにささげます。
しかし、マリアはイエスの母であり、教会の母として、私たちのために祈ってくださる方と信じられています。
ですから、扶助者聖母への祈りは、マリアの力だけに頼るという意味ではありません。マリアに導かれて、キリストの助けに信頼する祈りです。
現代の信仰生活でも、この姿勢は大切です。家庭の悩み、教会の課題、社会の不安、信仰の迷い。自分だけでは抱えきれないものを、神に差し出す時、私たちは少しずつ希望を取り戻します。
扶助者聖母は、困難の中で「ひとりではない」と思い出させてくれる母なのです。
扶助者聖母|ゆかりの地・書籍・芸術
扶助者聖母のゆかりの地としてよく知られているのが、イタリア・トリノの扶助者聖母大聖堂です。
この聖堂は、ドン・ボスコが建てたサレジオ会にとって大切な聖堂です。ドン・ボスコの働きと、扶助者聖母への信心は深く結ばれています。
また、中国・上海近くの佘山の聖母巡礼地も大切です。ここでは、扶助者聖母への信心が中国のカトリック信者の祈りと結びついています。
芸術では、扶助者聖母は、幼子イエスを抱く聖母として描かれることが多くあります。冠をいただき、天使や使徒たちに囲まれ、教会を守る母として表されることもあります。
その姿は、マリアが自分だけのために立っているのではなく、キリストを示し、教会を支える母であることを表しています。
まとめ|今日の聖人から学べること
扶助者聖母は、困難の中で信者を助ける聖マリアの称号です。教皇ピウス7世のローマ帰還と結びつき、5月24日に記念されるようになりました。
ドン・ボスコはこの信心を大切にし、若者の教育と保護を聖母の助けにゆだねました。
また、5月24日は中国の教会のために祈る日としても覚えられています。
扶助者聖母は、苦しい時にも教会と信者がひとりではないこと、そしてマリアが私たちをキリストへ導く母であることを教えてくれます。
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