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今日の聖人は聖ペトロ使徒|教会の岩となり逆さ十字架で殉教した弟子の長[6月29日]

6月29日は、カトリック教会で「聖ペトロ使徒」を記念する日です。

ペトロはイエスから「教会の岩」と呼ばれ、教会の礎として働いた最初の弟子の一人です。

弟アンデレに導かれてイエスと出会い、弱さを抱えながらも使命に生き抜いた彼の姿は、私たちの日常にも深い励ましを与えてくれます。

>>今日の聖人は聖アンデレ使徒[11月30日]

聖ペトロ使徒|プロフィール

  • 名前
    聖ペトロ(シモン・ペトロ)/Saint Peter, Simon Peter
  • 生没年
    1世紀(67年ごろ殉教)
  • 出身地・時代背景
    ガリラヤ湖畔ベトサイダ出身。ローマ帝国の支配下で、ユダヤ社会が不安定だった時代。
  • 肩書き・役職
    十二使徒、ローマ教会の初代司教(初代教皇)、殉教者

聖ペトロ使徒の生涯

青年期からの転機|漁師から弟子へ

ペトロは貧しい漁師家庭に生まれ、弟アンデレと力を合わせて漁をしていました。自然の厳しさを知る生活でしたが、彼は信心深く、心はまっすぐな人物だったと伝えられています。

ある日、湖で漁をしていたペトロにイエスが声をかけます。「人をすなどる者にしよう」(マタイ4.19)
この言葉を聞いたペトロは、網を捨ててイエスに従いました。

ここから、彼の人生は大きく動き出します。

信仰と活動の展開|教会の「岩」としての使命

ペトロは、弟子たちの中でも特にイエスに近い存在でした。彼の名前は本来シモンでしたが、イエスは彼を「岩」を意味する“ペトロ(ペトロス)”と呼びました。

イエスは彼に向かって次のように語りました。
「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。」(マタイ16.18)
「天の国の鍵」を授けるとまで言われ、ペトロは教会の土台となる使命を受けました。

しかし、ペトロは決して完璧な人物ではありませんでした。嵐の湖で恐れて沈みかけたり、イエスの受難を前に三度否認したりと、弱さを何度も見せています。

それでも復活のイエスはペトロに向かって「わたしの羊を飼いなさい」と語り、彼を再び立ち上がらせました。

このエピソードは、「失敗しても、愛に根ざしてやり直せる」というペトロらしい信仰の姿を象徴しています。

晩年と殉教|クオ・ヴァディスの物語

アンニーバレ・カラッチ作

67年、ネロ皇帝によるキリスト教迫害が起こると、仲間のすすめでペトロはローマから逃げようとしました。しかし、道中で十字架を背負うイエスと出会います。

ペトロは問いかけます。「クオ・ヴァディス・ドミネ(主よ、どこへ行かれるのですか)」

イエスは答えます。
わたしは再び十字架につけられるためにローマへ向かうところだ。

この言葉を聞いたペトロは、自分の使命を悟り、再びローマへ戻りました。

そして、自ら望んで逆さ十字架につけられて殉教したと伝えられています。「主と同じ姿で死ぬことは恐れ多い」と考え、逆さまを願ったという伝承は、深い謙遜を物語っています。

ペトロが処刑された場所には、現在のサン・ピエトロ大聖堂が建てられています。

聖ペトロ使徒の名言・エピソードから学ぶ

ペトロに関する言葉で、聖書に明確に残るものの一つが次の告白です。

「あなたはメシア、生ける神の子です。」(マタイ16.16)

この告白は、イエスが「あなたはペトロ」と語った場面につながります。

ペトロは弱さを抱えながらも、深い信頼をもってイエスを“神の子”と認めた人物です。その信仰告白こそが、彼を教会の礎にふさわしい者としたのでしょう。

カトリック的ポイント解説

ペトロが生涯を通して大切にしたテーマは、「ゆるしと回復」、そして 「教会の一致」 です。

  • 三度の否認という大きな失敗の後、イエスから赦され、使命を与えられました。
  • 教会の「岩」として信者をまとめ、群れを守る役割を果たしました。
  • ローマで命を捧げたことで、全世界の教会の一致を象徴する存在となりました。

現代の私たちにも、「どんな弱さがあっても、神はやり直しのチャンスをくださる」「自分のまわりの小さな共同体を大切にする」という生き方を教えてくれます。

聖ペトロ使徒|ゆかりの地・書籍・芸術

  • サン・ピエトロ大聖堂(バチカン)
    ペトロの墓の上に建つ世界最大級の教会。彼のゆかりの場所として巡礼者が絶えません。
  • 「クオ・ヴァディス」伝承
    この物語に触発され、映画や文学作品が多数生まれています。特に映画『クオ・ヴァディス』(1951年)は代表的な名作です。
  • 芸術作品
    ミケランジェロ、ラファエロ、カラヴァッジョなど多くの巨匠がペトロを描きました。象徴は「鍵」「逆さ十字」「鶏」「羊」です。

まとめ|今日の聖人から学べること

聖ペトロ使徒は、弱さを抱えながらもイエスに従い続け、ついには教会の岩として使命を果たした人物です。

弟アンデレが静かに導いた道の上で、彼は大きな役割を担うよう成長しました。三度否認する弱さがあっても、復活のキリストの愛によって立ち上がり、ローマで殉教するまで福音を語り続けました。

私たちも失敗や不安の中でも、神のゆるしと導きを信じて歩むことができます。ペトロは、弱さの中にこそ神の力が働くという希望を示してくれる聖人です。

>>今日の聖人は聖アンデレ使徒[11月30日]

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