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キリストから天国の鍵を受けるペテロ

6月29日は、カトリック教会で「聖ペトロ使徒」を記念する日です。

聖ペトロは、イエスから「あなたはペトロ」と呼ばれ、天国の鍵を託された使徒です。

最後はローマで逆さ十字架にかかって殉教したと伝えられ、教皇職の源に立つ存在として記憶されています。

>>今日の聖人は聖アンデレ使徒[11月30日]

聖ペトロ使徒|プロフィール

  • 名前
    ペトロ/Peter、Simon Peter
  • 生没年
    1世紀
  • 出身地・時代背景
    ガリラヤ湖畔のベトサイダの出身と伝えられています。ローマ支配下のユダヤで、メシア待望が強く意識されていた時代に生きました。
  • 肩書き・役職
    十二使徒の一人、教会の柱とされる使徒。ローマ教会の初代司教としても深く記憶されています。

聖ペトロの生涯

聖ペトロは、最初から「ペトロ」と呼ばれていたわけではありません。

もともとは、ガリラヤ湖畔で弟アンドレとともに漁をしていたシモンでした。

ベトサイダの漁師シモンとして生きる

ペトロは、ゲネサレト湖畔のベトサイダで、貧しい漁師の家に生まれたと伝えられています。

弟アンドレとともに漁をしながら、信心深い生活を送っていました。

この出発点は、次に書く聖パウロとの対比でも大切です。

パウロが学識と律法の訓練の中から登場する使徒だとすれば、ペトロはまず、湖畔の生活の中から主に呼ばれた使徒です。

イエスに召され、「人を漁る者」とされる

漁をしていた時、ペトロはイエスから、

「人を漁る者にしよう」

と呼びかけられ、後に従いました。

ここで大切なのは、ペトロが自分で使徒になろうとしたのではなく、主ご自身に呼ばれて使徒となったことです。

彼の生涯は、最初から主の召命に始まっています。

「岩」を意味するペトロの名を与えられる

シモンという名であった彼に、イエスは「岩」を意味する「ペトロ」という名を与えました。

さらにイエスは、

「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」

と語り、

「天の国の鍵」

を託されました。

この出来事によって、ペトロは単なる弟子の一人ではなく、教会の一致のために特別な役割を負う使徒として立てられます。

次に続く聖パウロが宣教の大きな広がりを担う使徒だとすれば、ペトロはまず、教会の土台と一致を象徴する使徒として描くと対比しやすくなります。

復活の主から「わたしの羊を飼いなさい」と託される

復活されたイエスは、ペトロに向かって、

「わたしの羊を飼いなさい」

と命じられました。

ここでペトロは、群れを導く牧者としての使命を受け取ります。

岩としての務めに加えて、牧者としての務めも託されたのです。

ローマ教会を導き、クオ・ヴァディスの伝承へ

その後、ペトロはローマ教会を導いたと伝えられています。

そして67年、皇帝ネロの迫害の時、信者たちの勧めでローマを離れようとしました。

しかしその途中で、十字架を背負ったイエスに出会ったという有名な伝承が残っています。

ペトロが、

「クオ・ヴァディス・ドミネ(主よ、どこに行かれるのですか)」

と尋ねると、主は、

「わたしは、ふたたび十字架につけられるためにローマに行くところだ」

と答えられたと伝えられます。

この言葉によって、ペトロは自分の使命を悟り、ローマへ引き返しました。

ローマで逆さ十字架にかかって殉教する

ペトロは、ローマに戻った後、進んで殉教の道を受け入れたと伝えられています。

そして、自分は主と同じ形で死ぬに値しないとして、逆さ十字架にかけられて殉教したという伝承が広く知られています。

その殉教地に、後にサン・ピエトロ大聖堂が建てられました。

ここでペトロの生涯は完成します。

湖畔で呼ばれた漁師が、最後にはローマで命をささげ、教会の土台として証しを立てたのです。

教皇職は「ペトロの座」と呼ばれる

ペトロは、ローマの司教として教会を導いた存在として受け止められてきました。

そのため、後のローマ司教、すなわち教皇は、ペトロの使命を受け継ぐ者と理解されます。

ここから教皇職は、しばしば「ペトロの座」と呼ばれるようになりました。

逆さ磔に架けられるペテロ

聖ペトロの名言・エピソードから学ぶ

聖ペトロを最もよく表すのは、イエスから「岩」と名づけられたこと、そして「わたしの羊を飼いなさい」と命じられたことです。

つまり彼は、強さだけの人ではなく、教会を支え、群れを守る務めを負った人でした。

また、「クオ・ヴァディス」の伝承は、逃れようとした人が最後には使命へ立ち返る姿として、今も多くの人の心に残っています。

カトリック的ポイント解説

聖ペトロの生涯で大切なのは、召命教会の土台 です。

カトリック信仰では、ペトロは単に熱心な弟子ではなく、キリストご自身から特別な務めを託された使徒として理解されます。

「岩」や「鍵」の言葉は、教会の一致と導きに関わる務めを表しています。

そのため、6月29日に次に扱う聖パウロと並べる時、ペトロは「教会の土台と一致」、パウロは「異邦人への広がりと宣教」という軸で読むと、二人の個性がとてもよく見えてきます。

聖ペトロ|ゆかりの地・書籍・芸術

聖ペトロのゆかりの地として大切なのは、ベトサイダガリラヤ湖、そしてローマです。

芸術では、天の国の鍵、漁網、雄鶏、逆さ十字架などとともに描かれることが多くあります。

特にローマでは、サン・ピエトロ大聖堂が彼の記憶を象徴する場所となっています。

まとめ|今日の聖人から学べること

聖ペトロ使徒は、イエスから「あなたはペトロ」と呼ばれ、天国の鍵を託された使徒です。

最後はローマで逆さ十字架にかかって殉教したと伝えられ、教皇職の源に立つ存在として記憶されています。

聖ペトロは、主に呼ばれた人が教会を支える岩へと造り変えられていくことを教えてくれます。

>>今日の聖人は聖アンデレ使徒[11月30日]