※本ページにはプロモーションが含まれています。

聖トマス使徒

7月3日は、カトリック教会で「聖トマス使徒」を記念する日です。

聖トマスは、復活したイエスをすぐには信じられず、「疑い深いトマス」として知られる使徒です。

けれども、その疑いの先で、彼は使徒たちの中でも特に力強い信仰告白にたどり着きました。

聖トマス使徒|プロフィール

  • 名前
    トマス/Thomas
  • 別名
    ディディモ(「双子」の意)
  • 生没年
    1世紀
  • 出身地・時代背景
    ガリラヤのイエスの弟子の一人として、1世紀のユダヤに生きました。ローマ支配下のユダヤで、イエスの死と復活、そして初代教会の始まりに立ち会った使徒です。
  • 肩書き・役職
    十二使徒の一人、宣教者、殉教者と伝えられる使徒。

聖トマスの生涯

聖トマスは、イエスの十二使徒の一人です。

福音書では、「ディディモ」とも呼ばれています。

「双子」を意味するディディモと呼ばれる

トマスは、「ディディモ」とも呼ばれていました。

これは「双子」という意味です。

聖書はその意味を伝えていますが、実際に誰の双子だったのかまでは、はっきり記していません。

このため、後世にはいろいろな伝承も生まれましたが、本文では、まず福音書の確かな記述に沿って理解しておくのがよいでしょう。

復活の知らせを聞いても、すぐには信じなかった

トマスを語るうえで最も有名なのは、やはり復活の場面です。

ほかの弟子たちが、復活したイエスが現れたと告げたとき、トマスはすぐには信じませんでした。

彼は、イエスの手の釘の跡を見て、その傷に自分の指を入れ、脇腹に手を入れてみなければ決して信じないと言いました。

このため、トマスは「疑い深いトマス」と呼ばれるようになります。

けれども、この場面は単に信仰が弱かった人という話ではありません。

むしろ、トマスは中途半端に納得したくなかったのです。

本当に復活したのかどうか、曖昧なままでは受け入れられないほど、彼は真剣にこの出来事を受け止めていたとも言えます。

「わたしの主よ、わたしの神よ」と告白する

その後、イエスは再び弟子たちのもとに現れました。

その場にはトマスもいました。

イエスは、トマスに自分の手と脇腹を見るように、そして信じない者ではなく信じる者になりなさい、と語られます。

そのときトマスは、「わたしの主よ、わたしの神よ」と告白しました。

これは、福音書の中でも特に強い信仰告白の一つです。

つまり、最も疑ったと記憶される弟子が、最もはっきりとイエスを「主」「神」と呼んだのです。

ここに、聖トマスの大切な意味があります。

疑いで終わった人ではなく、疑いを通って、より深い信仰へ導かれた人だったのです。

「見ないで信じる者は幸いである」と示される

この場面で、イエスはトマスに向かって、「見ないで信じる者は幸いである」と語られます。

この言葉は、トマスをただ叱るためのものではありません。

むしろ、後の時代を生きるわたしたちすべてに向けられた言葉でもあります。

わたしたちは、復活のイエスを目で見たわけではありません。

それでも、使徒たちの証言を通して信じるよう招かれています。

トマスの物語は、まさにその橋渡しのような位置にあります。

その後、インドへ宣教に行ったと伝えられる

教会の伝承によれば、その後トマスはインドにまで宣教に赴いたとされています。

特に南インドとの結びつきが深く、マイラポールで殉教したと伝えられています。

歴史的な細部には議論もありますが、インドの古いキリスト教共同体が、自分たちを「聖トマのキリスト信者」と呼ぶことが多いのは有名です。

このことからも、トマスが単なる一場面の人物ではなく、宣教の使徒として深く記憶されてきたことがわかります。

聖トマスの名言・エピソードから学ぶ

聖トマスを最もよく表すのは、「わたしの主よ、わたしの神よ」という言葉です。

この一言のために、トマスは教会の中で特別な位置を持っています。

彼は、疑った弟子としてだけでなく、疑いの先でキリストへの深い信仰を告白した弟子だからです。

カトリック的ポイント解説

聖トマスの生涯で大切なのは、疑いから信仰へ という流れです。

カトリック信仰では、疑いそのものが即座に悪だとは限りません。

大切なのは、その疑いの中で真理から離れるのではなく、キリストのもとへなおとどまり、答えを求め続けることです。

トマスは、まさにそういう弟子でした。

そして彼は、復活したキリストに出会ったあと、信仰を胸の中だけにとどめず、遠くインドまで伝えたと伝えられます。

そのため彼は、疑い深い人の代表というだけでなく、確信を得たあとには大胆に宣教した使徒として読む方が、ずっと聖人らしい全体像になります。

聖トマス使徒|ゆかりの地・書籍・芸術

聖トマスのゆかりの地として大切なのは、福音書の舞台であるユダヤ、そして伝承上の宣教地であるインド、特にマイラポールです。

芸術では、イエスの脇腹の傷に手を伸ばす場面で描かれることがとても多くあります。

また、槍や建築用の定規のような道具とともに描かれることもあり、これは後世の伝承や殉教のしるしに結びついています。

まとめ|今日の聖人から学べること

聖トマス使徒は、復活したイエスをすぐには信じられず、「疑い深いトマス」として知られる使徒です。

しかしその後、復活の主の前で「わたしの主よ、わたしの神よ」と告白し、疑いを通って深い信仰に導かれました。

さらに伝承では、インドまで宣教に赴き、マイラポールで殉教したとされています。

聖トマスは、疑いを抱える人でも、キリストに出会い続けるなら、やがて深い信仰告白へ導かれることを教えてくれます。