Pieter Schoubroeck〈ソドムとゴモラ〉
ソドムの町が繁栄していたから
また、果樹もたくさん茂っていたから
ロトは、叔父さんアブラハムと別れた時、
この町ソドムを選んだって知ってた?
そして、ワシ(神様)がどうして、
ソドムとゴモラを滅ぼしたか話すね。
町の実態を調べさせるために
天使2人をソドムに送る前に、
まず、ワシと天使2人でアブラハムを訪ねたのね。
アブラハムが、ワシにしつこく聞くのよ。
「正しい人が50人にいたら、滅ぼしますか?」
ワシ「滅ぼさない」
「正しい人が45人にいたら、滅ぼしますか?」
ワシ「滅ぼさない」
「正しい人が40人にいたら、滅ぼしますか?」
ワシ「滅ぼさない」
...
...
...
...
「正しい人が10人にいたら、滅ぼしますか?」
ワシ「滅ぼさない」
まあ、正しい人が10人までなら
と、いうことでアブラハムも納得したんだけど。
そのあと、ソドムに天使二人を送ったの。
送った天使二人の報告が来てね。
正しい人は、ロトの家族4人だけ
ロトと妻、娘2人しかいなかったというわけ。
かつて、ワシはノアに
もう2度と大洪水を起こさないと約束したの。
だから、町を滅ぼすのは心が痛むんだよ。
洪水ではなく硫黄の火柱にしたのはそのため。
まぁ、洪水でなきゃいいでしょって逃げたの。
それほど、ソドムとゴモラはアウトだったってこと。
〈ソドムの破壊〉
「ソドミー」って言葉知ってる?
みんなも知っていると思うけど。
ソドムとゴモラ人の性壁が異常すぎたの!
ここに書けないから、「ソドミー」で検索して調べて。
単なるホモやレズくらいなら、ワシ許したのよ。
今の世の中にもカミングアウトする人多いでしょ。
それが、天使にまで手を出そうとしたんだから、
もう、呆れ果ててしまったの。
ロトは天使の代わりに
「処女の二人の娘を代わりに差し出します」
と、彼らに提案したんだけどね、
彼らは、天使にしか目がいかなかったの。
あげくのはてに、ロトにまで危害を加えようとした。
だから天使二人は、彼らの目を見えなくして
ロトの家族を守り、すぐ出発させようとしたの。
その夜、4人は街を離れたの。
ロトの奥さんは、天使の報告にもあったんだけど
少し、ソドム人の悪い気質を持ってたのね。
でも、持っているだけで実行してなかったから
正しい人に入れたんだけど。
殺したいと思っても、じっさい殺さなければ
罪には問われないでしょ。
だけど、ちゃんと釘を刺しておいたのよ。
「どんなことが起きようと、後ろを振り向くな」と。
結局、ロトの奥さんだけ振り向いてしまった。
ソドムの生活に未練があったのね。
「でも、どうして塩柱にしたのか?」って。
硫黄の光でめくらにするとかでも
よかったんだけど、
あっ、塩と言っても岩塩だからね。
振り向いたロトの妻そのまま岩塩の彫刻にしたの。
後世の人が見たら、はっきりと
ソドムとゴモラの天罰を思い出すようにね。
助かったのは、ロトと二人の娘だけ。
この娘、後でとんでもないことを
父ロトにするんだけど、
それは次回にね。