ハガルとイシュマルの追放
アブラハム(100歳)とサラは、
超・超高齢出産でイサクを生んだの。

その前に、
アブラハムとサラの召使いハガルの間に
イシュマルが生まれていたんだけど。
「あなた、わたしはもう高齢で子を産めないから
このハガルと一緒に寝て子供を作って」
サラがアブラハムに彼女を差し出したの。
でも、ワシが
アブラハムの子孫の繁榮を約束したから
後で、サラにイサクが生まれたのね。
イシュマルとイサクはともに育って
二人とも仲良くしてたんだけど。
ある日、サラは自分の子イサク可愛さに
アブラハムに嘘を言ったの。
「あなた、ふらりが遊んでいるのを見ていると、
イシュマルがイサクをいじめているの」
サラの本心は、こうだった。
〈ハガルとイシュマルを追い出さないと、
わが可愛いイサクとイシュマルとの間に、
世継ぎ争いが起こってしまう。
そんなことは、絶対許さない!〉


アブラハムは、サラの言葉に
二人の追放を考えたんだが、
まだ幼いイシュマルを非常に心配したの。
だから、ワシはアブラハムに言ったの。
ハガルとイシュマルを心配することはない。
サラがあなたに言うことはすべて聞きいれなさい。
イサクとその子孫だけが、将来あなたの子として
繁榮が約束されているから。
しかし、ハガルの子イシュマルにも、
一つの国民として、一国を与えるから」
信心深い心優しいアブラハムは
ワシの言葉になんとか納得したの。
荒野のハガル
次の日、アブラハムは朝はやく起きると、
パンと水の皮袋とを取り出し、
ハガルに与えて、イシュマルと一緒に追い出したの。
でも、まぁ、ひどい仕打ちだよね
サラは自分がもう子供を産めないから、
若いハガルを夫の寝室に送り子を産ませて
いざ自分に子ができると、邪魔者扱い。
これってサラのセクハラ、いやパワハラだよね。
ハガルは去って、ベエルシバの荒野をさまよった。
「わたしは、この先どうなるんだろう。
イシュマルが死ぬのを見るのは耐えられない」
そう言うと、ハガルはイシュマルから離れていった。
だから、ワシ、天使を遣わして言わせたの。
「ハガルよ、恐れなくてもいいんだよ。
神はイシュマルの声を聞かれた。
イシュマルを取り上げて、あなたの手に抱きなさい。
神は、彼を大いなる国民とするであろう」
まぁ、こうしてサラの気持ちは安んじたんだけど。
サラって、ふつうの母親って感じでしょ。
女って、現実しか見ないからね。
これって、セクハラかしら。
権力がない神、ワシにどうして
セクハラができるかわかりません。
世間から逃げている、あの女のマネよ。

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