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イサクの夢のはしご〈ヤコブのはしご〉

〈創世記 第28章〉

兄エサウが狩から帰ってきた。彼もまたおいしい食べ物を作って、父の所に持ってきて、言った、
「父よ、起きてあなたの子のしかの肉を食べ、あなたみずから、わたしを祝福してください」

父イサクは彼に言った、
「あなたは、だれか」
彼は言った、
「わたしはあなたの子、長子エサウです」

イサクは激しくふるえて言った、
「それでは、あのしかの肉を取って、わたしに持ってきた者はだれか。わたしはあなたが来る前に、みんな食べて彼を祝福した。ゆえに彼が祝福を得るであろう」

エサウは言った、
「よくもヤコブと名づけたものだ。彼は二度までもわたしをおしのけた。さきには、わたしの長子の特権を奪い、こんどはわたしの祝福を奪った」

こうしてエサウは父がヤコブに与えた祝福のゆえにヤコブを憎んだ。

エサウは心の内で言った、
「父の喪の日も遠くはないであろう。その時、弟ヤコブを殺そう」

しかしリベカは長子エサウのこの言葉を人づてに聞いたので、人をやり、弟ヤコブを呼んで言った、
「兄エサウはあなたを殺そうと考えて、みずから慰めています。子よ、今わたしの言葉に従って、すぐハランにいるわたしの兄ラバンのもとにのがれ、あなたの兄の怒りが解けるまで、しばらく彼の所にいなさい」

さてヤコブはベエルシバを立って、ハランへ向かったが、一つの所に着いた時、日が暮れたので、そこに一夜を過ごし、その所の石を取ってまくらとし、そこに伏して寝た。

時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。

そして主は彼のそばに立って言われた、
「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。

わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」

ヤコブは眠りからさめて言った、
「まことに主がこの所におられるのに、わたしは知らなかった」
そして彼は恐れて言った、
「これはなんという恐るべき所だろう。これは神の家である。これは天の門だ」

ヤコブは朝はやく起きて、まくらとしていた石を取り、それを立てて柱とし、その頂に油を注いで、その所の名をベテルと名づけた。その町の名は初めはルズといった。

ヤコブは誓いを立てて言った、
「神がわたしと共にいまし、わたしの行くこの道でわたしを守り、食べるパンと着る着物を賜い、安らかに父の家に帰らせてくださるなら、主をわたしの神といたしましょう。またわたしが柱に立てたこの石を神の家といたしましょう。そしてあなたがくださるすべての物の10分の1を、わたしは必ずあなたにささげます」