イサクの妻リベカ
ジェイコブ・ホガー〈アブラハムのしもべとリベカ〉
アブラハムは年が進んで老人となった。主はすべての事にアブラハムを恵まれた。
さてアブラハムは所有のすべてを管理させていた家の年長のしもべに言った、
「あなたの手をわたしのももの下に入れなさい。わたしはあなたに天地の神、主をさして誓わせる。あなたはわたしが今一緒に住んでいるカナンびとのうちから、娘をわたしの子の妻にめとってはならない。あなたはわたしの国へ行き、親族の所へ行って、わたしの子イサクのために妻をめとらなければならない」
そこでしもべは手を主人アブラハムのももの下に入れ、この事について彼に誓った。
アブラハムの兄弟ナホルの妻ミルカの子ベトエルの娘リベカが、水がめを肩に載せて出てきた。
その娘は非常に美しく、男を知らぬ処女であった。彼女が泉に降りて、水がめを満たし、上がってきた時、しもべは走り寄って、彼女に会って言った、
「お願いです。あなたの水がめの水を少し飲ませてください」
すると彼女は「わが主よ、お飲みください」と言って、急いで水がめを自分の手に取りおろして彼に飲ませた。
ラバン(兄)とベトエル(母)は答えて言った、
「この事は主から出たことですから、わたしどもはあなたによしあしを言うことができません。 リベカがここにおりますから連れて行って、主が言われたように、あなたの主人の子の妻にしてください」
アブラハムのしもべは彼らの言葉を聞いて、地に伏し、主を拝した。そしてしもべは銀の飾りと、金の飾り、および衣服を取り出してリベカに与え、その兄と母とにも価の高い品々を与えた。彼と従者たちは飲み食いして宿ったが、あくる朝彼らが起きた時、しもべは言った、
「わたしを主人のもとに帰らせてください」
リベカの兄と母とは言った、
「娘は数日、少なくとも十日、わたしどもと共にいて、それから行かせましょう」
しもべは彼らに言った、「主はわたしの道にさいわいを与えられましたから、わたしを引きとめずに、主人のもとに帰らせてください」
彼らは言った、「娘を呼んで聞いてみましょう」
彼らはリベカを呼んで言った、「あなたはこの人と一緒に行きますか」
彼女は言った、「行きます」
そこで彼らは妹リベカと、そのうばと、アブラハムのしもべと、その従者とを送り去らせた。彼らはリベカを祝福して彼女に言った、
「妹よ、あなたは、ちよろずの人の母となれ。
あなたの子孫はその敵の門を打ち取れ」
リベカは立って侍女たちと共にらくだに乗り、その人に従って行った。しもべはリベカを連れて立ち去った。
フォン・カロルスフェルト〈イサク、レベカに会う〉
さてイサクはベエル・ラハイ・ロイからきて、ネゲブの地に住んでいた。イサクは夕暮、野に出て歩いていたが、目をあげて、らくだの来るのを見た。
リベカは目をあげてイサクを見、らくだからおりて、しもべに言った、
「わたしたちに向かって、野を歩いて来るあの人はだれでしょう」
しもべは言った、
「あれはわたしの主人です」
するとリベカは、被衣で身をおおった。しもべは自分がしたことのすべてをイサクに話した。イサクはリベカを天幕に連れて行き、リベカをめとって妻とし、彼女を愛した。こうしてイサクは母の死後、慰めを得た。
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