※本ページにはプロモーションが含まれています。

ソドマ『聖セバスティアヌスの殉教』ソドマ〈聖セバスティアヌスの殉教〉

隠れキリシタンで、ローマの親衛隊長

女性だけでなく、男性にも人気のある聖セバスティアヌス。そのハンサムな容貌からゲイにも人気があります。

セバスティアヌスは、ガリア(フランスのローマ植民地)の生まれ。彼はキリスト教徒であることに気付かれずに、ローマの親衛隊長に任命されていました。

セバスティアヌスは士官ニコストラトゥスの妻ゾエを改宗させた時、ゾエは6年間も話せませんでしたが、キリスト教に改宗するとすぐに話せるようになりました。

ニコストラトゥスは囚人を連れ出し、彼ら16人はセバスティアヌスによってキリスト教徒になりました。士官クロマティウスとティブルティウスもキリスト教に改宗。クロマティウスは囚人を解放してその職を辞し、故郷カンパーニアに隠退しました。

マルクスとマルケリアヌスというローマ市民は家族からキリスト教を否定され、ローマの神に捧げ物をするよう、言われていました。セバスティアヌスは囚人となったこの2人のキリスト教徒を励ましたことから、彼自身もキリスト教徒と発覚し、刑を言いわたされました。

聖イレーヌに介抱される聖セバスティアヌス〈聖イレーヌに介抱される聖セバスティアヌス〉

セバスティアヌスの殉教

射手たちがセバスティアヌスに多くの矢を放ち、そのままそこに放っておきました。しかし、奇跡的に彼は絶命していませんでした。聖カストゥルスの未亡人聖イレーネは、彼を自宅へ連れて行き、介抱しました。

聖イレーネと同じ建物に住む住民は、セバスティアヌスがキリスト教徒ではないかと疑っていました。そのうちの一人の少女は、ろうあで盲目でした。セバスティアヌスは彼女に「神のそばにいたいと思いますか?」と尋ね、彼女の頭上で十字を切りました。「はい」と少女は答えると、すぐに彼女の目は見えるようになったということです。

その後、セバスティアヌスはディオクレティアヌス帝の前でキリスト教を説くと、皇帝は彼を死ぬまで殴打し、遺体を人目につかぬよう隠しました。しかし、幻影となったセバスティアヌスは、聖イレーネに自分の体がどこにあるか教え、イレーネは彼を見つけると、使徒の納骨堂に埋葬しました。

また、セバスティアヌスは黒死病から信者を守ると言われてきました。それは、彼が矢に射られても死ななかった時、刺さった矢の痕が黒死病の斑点と似ていたため、セバスティアヌスは黒死病にも強いと信じられたからです。

マンテーニャ:聖セバスティアヌスの殉教マンテーニャ〈聖セバスティアヌスの殉教〉
矢が刺さっている美青年の絵画は、矢の多寡にかかわらず、ほとんどが聖セバスティアヌスです。