聖ロンギヌスの槍
ゲームをやる方には、剣のアイテムで必ずと言っていいほど出てくる槍です。聖ロンギヌスは、ローマ帝国の百卒長。イエス・キリストがゴルゴタの丘で磔になった際に、生死を確かめるためにその左脇腹に槍を突き刺しました。
ロンギヌスについては後世の創作ですが、実際にイエスに槍を刺した人物がいたかどうかについては定かではありません。
ハンス・メムリンク〈受難〉
聖ロンギヌスは、ローマ帝国の百卒長。イエス・キリストがゴルゴタの丘で磔になった際に、生死を確かめるために(確実に殺すため)その左脇腹に槍を突き刺しました。(ヨハネによる福音書 第19章)
百卒長ロンギヌスは盲目(白内障または目が不自由)で、イエスの脇腹を槍で刺すとその血が彼の眼に入り、目がを直ったといいます。こうして、彼は改心し洗礼を受け、のちに聖人になったとされています。
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書には、この百卒長の名前は出てきません。外典の1つ『ピラト行伝』(ニコデモ福音書)に「ロンギノスという名の兵がイエスの脇腹を槍で突きさした」と、出てくるそうです。(出典)
目の不自由な兵士が死の確認の役目を果たすとは、少し疑問ですね。イエスの血が目を直したという話を含めて、後でつけ加えられた話ではないでしょうか。ウィキペデイアの『聖槍』には、「ロンギヌスについては後世の創作であるが、実際にイエスに槍を刺した人物がいたかどうかについては定かではない」とあります。
〈聖槍〉ホーフブルク宮殿
神聖ローマ皇帝のレガリア。王権などを象徴し、それを持つことによって正統な王、君主であると認めさせる象徴となる物品。
(ヨハネによる福音書 第19章)
さてユダヤ人たちは、その日が準備の日であったので、安息日に死体を十字架の上に残しておくまいと、(特にその安息日は大事な日であったから)、ピラトに願って、足を折った上で、死体を取りおろすことにした。そこで兵卒らがきて、イエスと一緒に十字架につけられた初めの者と、もうひとりの者との足を折った。
しかし、彼らがイエスのところにきた時、イエスはもう死んでおられたのを見て、その足を折ることはしなかった。しかし、ひとりの兵卒がやりでそのわきを突きさすと、すぐ血と水とが流れ出た。それを見た者があかしをした。そして、そのあかしは真実である。その人は、自分が真実を語っていることを知っている。それは、あなたがたも信ずるようになるためである。これらのことが起ったのは、「その骨はくだかれないであろう」との聖書の言葉が、成就するためである。また聖書のほかのところに、「彼らは自分が刺し通した者を見るであろう」とある。
※ひとりの兵卒が、ロンギヌスと言われています。
(マルコによる福音書 第15章)
昼の十二時になると、全地は暗くなって、三時に及んだ。 そして三時に、イエスは大声で、
「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」と叫ばれた。
それは「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。すると、そばに立っていたある人々が、これを聞いて言った、
「そら、エリヤを呼んでいる」
ひとりの人が走って行き、海綿に酢いぶどう酒を含ませて葦の棒につけ、イエスに飲ませようとして言った、
「待て、エリヤが彼をおろしに来るかどうか、見ていよう」
イエスは声高く叫んで、ついに息をひきとられた。そのとき、神殿の幕が上から下まで真二つに裂けた。イエスにむかって立っていた百卒長は、このようにして息をひきとられたのを見て言った、
「まことに、この人は神の子であった」
また、遠くの方から見ている女たちもいた。その中には、マグダラのマリヤ、小ヤコブとヨセとの母マリヤ、またサロメがいた。 彼らはイエスがガリラヤにおられたとき、そのあとに従って仕えた女たちであった。なおそのほか、イエスと共にエルサレムに上ってきた多くの女たちもいた。
※この百卒長が、ロンギヌスと言われています。
〈聖ロンギヌス〉バチカン:サン・ピエトロ大聖堂 筆者撮影
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