聖アポロニアと抜歯
フランシスコ・デ・スルバラン〈聖アポロニア〉
聖アポロニア(生年不詳 - 249年)は、ローマ帝国時代のアレクサンドリアで殉教したキリスト教徒。アレクサンドリアのアポロニアとも呼ばれる。祝日は2月9日。
言い伝えによると、彼女は歯を全て乱暴に引き抜かれたか、粉々にされるという拷問を受けたという。このため、アポロニアは歯科学や歯痛を患う者、歯に関する問題全ての守護聖人として崇敬されてきた。絵画においては、歯を引き抜くためのはさみ(時には歯)を手にした姿で描かれている。
キリスト教史家らは、フィリップス・アラブス帝(在位:244年-249年)統治最後の年に、別の記録のない祭典(ローマ建国1000年を記念するもの。紀元前753年が建国の年とされているので、紀元248年頃となる)が開催されている最中、詩人が災難が降りかかると預言し、アレクサンドリアの群衆の怒りが頂点に達した。彼らの怒りの矛先は、キリスト教徒への血なまぐさい暴行となって向けられた。貴族たちは暴動を防ぐのに何の手だても打たなかった。
アレクサンドリア司教ディオニシウス(在任:247年-265年)は、アンティオキア司教ファビウスに宛てた手紙の中で信徒の被害者と連携し、エウセビウスの時代から歯を抜くことが長く行われてきたと触れている。続きには、キリスト教徒の男女メトラスとクインタがどのように襲撃され群衆に殺されたか、どのようにキリスト教徒の家々が略奪にあったかつづられている。
当時、アポロニアは、教会内の協力者を務め非常に尊敬されていた。暴徒らは彼女を襲い、繰り返し殴って彼女の歯全てを砕いてしまった。彼らは市の城門外にまき束の山をこしらえ、アポロニアが彼らの異教の神への崇拝の言葉を唱えなかったら、生きながらにして火にくべてやると脅した。彼女の願いが聞き届けられ、わずかな間に自由が与えられた。アポロニアは素早く火の中へ飛び込み、焼死した。
この悲惨な逸話は、ヤコブス・デ・ウォラギネの記した『黄金伝説』(1260年頃)によって広まり教訓とされた。
アポロニアと初期キリスト教犠牲者たちは死を望まなかったが、自身の純潔を保つならば死ぬよう脅された。彼らは棄教か死かの選択に直面し、自発的に死を受け入れ、一部の人が考えたように、危険にも自殺を試みたのである(カトリックで自殺は認められない)。アウグスティヌスはこの疑問について著作『神の国』の中でふれている。
ディオニシウスの記した物語は、聖アポロニアのこの行為にわずかばかりの非難も暗示していない。彼の目には、彼女は他者と同様に十分な資格のある殉教者であった。そういう資格で、彼女はアレクサンドリアの教会で崇拝されたのである。やがて、彼女の祝日は西方教会で一般に広まった。後に伝説は誤って、ユリアヌス帝時代のローマで同じく歯を抜かれる拷問を受けたキリスト教徒の乙女として複写され広まった。
(ウィキペディアより)
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