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モロー:ヘロデ王の前で踊るサロメモロー〈ヘロデ王の前で踊るサロメ〉

領主ヘロデはイエスのうわさを聞いて、家来に言った、
「あれはバプテスマのヨハネだ。死人の中からよみがえったのだ。それで、あのような力が彼のうちに働いているのだ」

というのは、ヘロデは先に、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、ヨハネを捕えて縛り、獄に入れていた。

すなわち、ヨハネはヘロデに、
「その女をめとるのは、よろしくない」と言ったからである。

そこでヘロデはヨハネを殺そうと思ったが、群衆を恐れた。彼らがヨハネを預言者と認めていたからである。

さてヘロデの誕生日の祝に、ヘロデヤの娘がその席上で舞をまい、ヘロデを喜ばせたので、彼女の願うものは、なんでも与えようと、彼は誓って約束までした。

すると彼女は母にそそのかされて、「バプテスマのヨハネの首を盆に載せて、ここに持ってきていただきとうございます」と言った。

王は困ったが、いったん誓ったのと、また列座の人たちの手前、それを与えるように命じ、人をつかわして、獄中でヨハネの首を切らせた。その首は盆に載せて運ばれ、少女にわたされ、少女はそれを母のところに持って行った。

それから、ヨハネの弟子たちがきて、死体を引き取って葬った。そして、イエスのところに行って報告した。

(マタイによる福音書)

洗礼者ヨハネの首を持つサロメカラヴァッジオ〈洗礼者ヨハネの首を持つサロメ〉