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ユダの自殺ロレンツェッティ〈ユダの自殺〉

(マタイによる福音書 第6章)

イエスは彼らに答えられた、
「あなたがた十二人を選んだのは、わたしではなかったか。それだのに、あなたがたのうちのひとりは悪魔である」

これは、イスカリオテのシモンの子ユダをさして言われたのである。このユダは、十二弟子のひとりでありながら、イエスを裏切ろうとしていた。

(マタイによる福音書 第26章)

十二弟子のひとりイスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところに行って言った、
「彼をあなたがたに引き渡せば、いくらくださいますか」

すると、彼らは銀貨三十枚を彼に支払った。その時から、ユダはイエスを引きわたそうと、機会をねらっていた。
さて、除酵祭の第一日に、弟子たちはイエスのもとにきて言った、
「過越の食事をなさるために、わたしたちはどこに用意をしたらよいでしょうか」

イエスは言われた、
「市内にはいり、かねて話してある人の所に行って言いなさい、『先生が、わたしの時が近づいた、あなたの家で弟子たちと一緒に過越を守ろうと、言っておられます』」

弟子たちはイエスが命じられたとおりにして、過越の用意をした。

裏切りと報酬ジョット〈裏切りと報酬〉

夕方になって、イエスは十二弟子と一緒に食事の席につかれた。そして、一同が食事をしているとき言われた、
「特にあなたがたに言っておくが、あなたがたのうちのひとりが、わたしを裏切ろうとしている」

弟子たちは非常に心配して、つぎつぎに「主よ、まさか、わたしではないでしょう」と言い出した。

イエスは答えて言われた、
「わたしと一緒に同じ鉢に手を入れている者が、わたしを裏切ろうとしている。たしかに人の子は、自分について書いてあるとおりに去って行く。しかし、人の子を裏切るその人は、わざわいである。その人は生れなかった方が、彼のためによかったであろう

イエスを裏切ったユダが答えて言った、
「先生、まさか、わたしではないでしょう」

イエスは言われた、
「いや、あなただ」
(ユダは去った)

一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、祝福してこれをさき、弟子たちに与えて言われた、
「取って食べよ、これはわたしのからだである」

また杯を取り、感謝して彼らに与えて言われた、
「みな、この杯から飲め。これは、罪のゆるしを得させるようにと、
多くの人のために流すわたしの契約の血である」

そして、イエスがまだ話しておられるうちに、そこに、十二弟子のひとりのユダがきた。また祭司長、民の長老たちから送られた大ぜいの群衆も、剣と棒とを持って彼についてきた。イエスを裏切った者が、あらかじめ彼らに、「わたしの接吻する者が、その人だ。その人をつかまえろ」と合図をしておいた。

彼はすぐイエスに近寄り、
「先生、いかがですか」と言って、イエスに接吻した。
しかし、イエスは彼に言われた、
「友よ、なんのためにきたのか」

ユダの接吻ジョット〈ユダの接吻〉

(マタイによる福音書 第27章)

イエスを裏切ったユダは、イエスが罪に定められたのを見て後悔し、銀貨三十枚を祭司長、長老たちに返して言った、
「わたしは罪のない人の血を売るようなことをして、罪を犯しました」

しかし彼らは言った、
「それは、われわれの知ったことか。自分で始末するがよい」

そこで、彼は銀貨を聖所に投げ込んで出て行き、首をつって死んだ。

(使徒行伝 第1章)

ペテロはこれらの兄弟たちの中に立って言った、
「兄弟たちよ、イエスを捕えた者たちの手びきになったユダについては、聖霊がダビデの口をとおして預言したその言葉は、成就しなければならなかった。彼はわたしたちの仲間に加えられ、この務を授かっていた者であった。

(彼は不義の報酬で、ある地所を手に入れたが、そこへまっさかさまに落ちて、腹がまん中から引き裂け、はらわたがみな流れ出てしまった。そして、この事はエルサレムの全住民に知れわたり、そこで、この地所が彼らの国語でアケルダマと呼ばれるようになった。「血の地所」との意である)」

そこで一同は、バルサバと呼ばれ、またの名をユストというヨセフと、マッテヤとのふたりを立て、祈って言った、
「すべての人の心をご存じである主よ。このふたりのうちのどちらを選んで、ユダがこの使徒の職務から落ちて、自分の行くべきところへ行ったそのあとを継がせなさいますか、お示し下さい」

それから、ふたりのためにくじを引いたところ、マッテヤに当ったので、この人が十一人の使徒たちに加えられることになった。

ユダの良心ニコライ・ゲー〈ユダの良心〉